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カーヴァーの魅力の巻

昨日はたまたま仕事が忙しく、事故やその他あれこれで疲れた。それで偶然、部屋にあったレイモンド・カーヴァーの傑作選を見つけて読んでみるとスルッと読めて、以前よりも良さが理解できた。

この本を買ったのはずいぶん前で、有名な「大聖堂」はすぐに読んで「なるほど、これが名作というものか」と納得した。しかし、それ以外の数作は何となく入り込めず……。当時は奇矯なアイディアを中心とした短編にしか興味を感じなかったのだろうと思う。

で、昨日あらためて「レモネード」と「サマー・スティールヘッド(夏にじます)」を読むと、こちらが歳をとった分だけ良さが味わえるようになっていた。

特に「サマー~」の方は、少年の頭に時々浮かぶ妄想がユニークで、他もドラマチックな展開はないが親しみやすく、読みやすい。

これが30分か50分のドラマだとしたら退屈するかもしれないが、小説としては味わい深い。

淡々としているが、決して中身が薄い訳ではなく、うまいこと読者の興味を引っかける。まだ何作か読んでいない短編が残っているので、もう少し読むことにする。

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