「真面目に文学 音楽」を含む小説

　突然、事務所に身売された、中堅アイドル・美波(みなみ)…移籍先マネージャー・包仁(かねと)と所長・日昇(ひのぼり)……三人の愛憎は、何処(いずこ)へと？

　君は、僕の物……。僕は…君の物……もっと、深く…知り合おう……！そう…君と僕の、弦(いと)…あの楽器(ヴィオラ)に、触れる様に……。

　二人の脳裡から離れぬのは…自分を責め続けている、明良(おとうと)の痛ましい姿だけ……。弟の夢は…兄の夢……。忘れる積もりだったのに……赦さない……！

　あなたは、音を…やさしく弾(はじ)く……。さようなら……。私の、秘密は…あなたにも、秘密……。

〝さっきはごめん〟今の僕が、指先で伝えられる言葉は…これが、精一杯。悪魔に魂を売って迄、君を堕とした僕なのに……今宵も、僕の魂は…君の魔弾に、射抜かれるんだ……。