カクヨム発ファンタジー作品求む!
1,248 作品
この度は「ドラゴンノベルス新世代ファンタジー小説コンテスト」にご応募いただき、まことにありがとうございました。
ドラゴンノベルスは、今年2月に創刊したばかりのレーベルとなりますが、そんな生まれたばかりのレーベルのコンテストに予想を大きく上回る1,208作もの応募作が集まり、編集部一同感謝の念にたえません。
骨太で壮大なファンタジー作品から流行りの異世界転生・転移に新たな切り口を加えた作品まで、応募作は一言でファンタジーと括るには多岐に渡りすぎる力作揃いとなっており、編集部としても楽しんで選考させていただきました。
ドラゴンノベルスでは、『冒険者よ、ファンタジーへ旅立とう!』をモットーに今の時代の読者に求められているファンタジー小説を刊行しております。今回のコンテストで受賞した4作品はいずれも新しい時代を築いていける傑作であると自信を持っておすすめできる作品となっておりますので、受賞作の刊行をぜひ楽しみにお待ちいただけますと幸いです。
第2回のコンテストも来年春の開催を予定しております。
今後も弊社ならびにドラゴンノベルスを何卒よろしくお願いいたします。
主人公のセレスは母に技術を叩きこまれた錬金術師である。
錬金術師としては天才であり、採取の為の危険行動も苦と思わず、戦闘能力も高い。
だが彼女には致命的な欠点が有った。余りにもコミュ障だったのだ。
その結果才能を腐らせ引き篭もり、切れた母の手で見知らぬ地に放り出される。途方に暮れながら街に向かい、コミュ障を全力で拗らせつつも才能を発揮。只々人に会わない選択をしているだけだが上手くいき、それと共に勝手に街も発展していく。
これは引き籠ろうとするが引き籠れない日々を送る、優秀だが残念な錬金術師の物語。
目指すは完全なる引き籠りライフ。出来るかどうかは解らない。
魔族四天王の一人、《冒神の死霊術師》ことアインベルク・ツヴァインは、勇者の聖剣によって、その人生に幕を下ろした……はずだった。
気づけば二度目の人生が始まっていることに気づいた彼は、新たな生をどのように生きるか考えることになる。
もう一度、神を冒涜して生きるか、それとも、人として……。
最強能力はそのままに、赤子として転生……というストーリーの安定感と、主人公らしからぬダークサイド風な能力設定の面白さが評価されました。年齢的に主人公をもう少し成長させてから本格的に話を広げた方が、よりスリリングな人間模様や展開が描けるのではとも思いましたが、「能力バレ」しないよう空気を読み機転を利かせ局面を切り抜ける〝心地よい緊張感″が読みやすい筆致で描かれ、読者を物語の世界に巻き込む「腕力」と、作品の可能性を感じました。
英雄の父と、大賢者の母の間に産まれたルクス=フィレンツェ。
誰もが羨む血筋を継ぎしルクスは、父と母の良い部分を受け継いで生まれたのだと期待された──のだが、誰もが羨む才能には恵まれなかった。
与えられたのは、モンスターを調合して武器や消耗品といったアイテムを生成する支援加護であった。
周りからは『無能』だとか『外れ七光り』だとか言われてたルクスだが、エレナ=ティンベルだけは蔑まなかった。
それはエレナが、何らかの理由で実力を隠しているが、ルクスが本当は最強なのだと勘違いしていたからだ。
「アイツ、俺にずっと付いてきてるけど──まさか、俺の事が好きなのか!?」
「絶対に実力を隠してる。アイツは──とんでもない男になるはず!」
お互いの事を勘違いしている二人。
──だが時を経て、お互いの勘違いは少しずつ、現実となるのだった……。
一見“外れ”能力しか持たないルクスとヒロイン・エレナの勘違いから始まった関係、そして互いの成長を描いた本作。エレナの“勘違い”を真実にするため、ひた向きに努力を続けるルクスの姿勢は、まさに王道の主人公と言えます。努力とそれに応じた能力の開花による成長物語は勿論、素直になれないエレナによるラブコメ展開も本作の見所です。周囲に集う個性豊かな登場人物たちも丁寧に描かれ、物語に厚みを生んでいる点も評価しました。
事故で死んでしまった女子高生が、気がついたら異世界に!?
錬金の才能を見こまれて、異世界に召喚されたらしい。
錬金なんてやったこともないのに、なぜ……?
「導き手」のオコジョさん
「守り手」のコッコさん
二匹のもふもふたちに囲まれて、界渡りの魔女が残した箱庭で、ポーションを作ったりお料理したりと、ゆるふわ生活を楽しみます!
不慮の事故で亡くなった女子高生が隠された才能を見抜かれ、異世界で錬金術師として転生し、動物たちとスローライフを営むハートウォーミングなファンタジー作品です。軽妙な文章が紡ぐ童話のようで、時にクスッと笑ってしまうようなストーリーは余裕のない日々を過ごす現代人の心をきっと鷲掴みにしてくれるはずです。久しぶりに童心に帰ったような優しい気持ちで一杯にさせられる作品でした。より多くの方がモフモフで癒やされますように。そんな気持ちから特別賞に選出させて頂きました。
「ドラゴンノベルス新世代ファンタジー小説コンテスト」の中間選考の結果を発表させていただきます。
多数の力作を投稿してくださった皆様、並びに作品を読んでくださった皆様には、改めて深く御礼申し上げます。
※掲載の並びは作品のコンテストへの応募順となっております
講評
(とんでもなく)実力はあるけど他人と上手く話せない……そんな錬金術師の女性を主人公とした本作。勘違いからどんどん最強扱いされ、望んでないのに周囲が発展し仕事が増えていく。引き籠もりたいのに街が、話が大きく広がっていく過程は楽しく、微笑ましく読み進めることが出来ました。なにより世界観がしっかりと作られており、主人公が作る細かな魔導具や、彼女が出会う幻想的な種族などの描写によって、この世界が「生きている」事を実感でき、その完成度の高さから大賞に選出されました。