「かんざし」と「とまり」の内に秘められた激しい感情がすれ違う様を懐かしくも繊細な空気感を添わせながらそれぞれの感情に丁寧に沿わせながら交互の視点で綴られます。なので、とても没入感が高く感情移入しやすい物語だと思います。それなのにとても感情が動かされる物語で、すっかり心を掴まれてしまいました。特にタイトルにもなっている『変身』の通り、アゲハチョウの幼虫が変身していく様を観察する「かんざし」がそこに自身の状況を投影する様は見事としか言いようがありませんでした。この二人の世界にあなたも誘(いざな)われてみませんか?
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