悪女の錬金術師ミリアムは、錬金術を使わず金を増やす。

錬金術師ミリアムは、金を作り出して高利貸しをする悪女と自宅の壁に落書きされる日々を送っていた。
研究で成果が出ず金貸しに色気を出しただけで、ほかの錬金術師たちから誹謗中傷を受け続ける鬱屈とした生活に嫌気がさしていた。

ある日大学の学友であった近衛兵のヴァールが訪れた。自分が仕える王女が悪徳錬金術師に騙されてるかもしれないと助けを求めてきた。

「本物の金を増やす錬金術をみせてくれ」
「そんなものありません。代わりにお金を増やす方法ならできますけど、危険なのでやりません」
「成功したら王宮専属錬金術師に推薦するように働きかける」

　ヴァールの甘言に乗せられ、罵られるばかりの生活から王宮で錬金術研究三昧の生活を目指すためミリアムはどのように金を増やすのか。

　そして、
「……俺の気持ちが伝わる錬金術も教えてほしいのだがな」