「ねえ、賭け、してみない？」――――そう言って、頬を染める君は、夕陽に負けないくらいとても眩しかったんだ。

　この作品を読む前のタイトルだけを見た印象だけだと、ギャンブルチックな賭け事とかのお話……？って印象で、タグを見た感じだとどうやら恋愛系っぽい。

　このタイトルとタグの印象の差で興味を持って読み始めたのですが、タイトルにあるように、賭けというのは高校生の男女が交わした馴染みのある勝負事のような約束がきっかけに始まる物語でした。

　二人の関係性は男の子が女の子へ片思いをしているのが話の冒頭で語られ、負けた方はどんなことを要求するのかな～と思っていると、

女の子は「内緒……」と。
男の子の方はいろいろと思いがあるけど、そんなことを言われたのか照れ隠しで内緒にすることに。

　それじゃ話が進…続きを読む

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（278文字）

青春や恋愛とは定義できるものではありません。
人の心の数だけ存在するといっても過言ではなく感じ方も読者によって変わるものだと思います。
主人公は赤宮ヒカリという少女に片思いしています。
自分のことを平々凡々だと思っている彼にとって赤宮さんは高嶺の花です。
追試のための勉強で少しずつ距離近づけていく二人。
そこで二人は賭けをします。
それによって勝ったときに相手にお願いする内容を伏せたまま。
よくある恋愛もののようですがとある情報が隠されています。
それは赤宮ヒカリという少女の気持ちと連動している。
ミステリではないのに読後感は良くカタルシスがあります。
圧倒的救済が待ち受けているのです。
彼…続きを読む

少年と少女の距離感がキュンキュンしますね。
冒頭からドキッとさせられそのまま文章に引き込まれます。

僕の返事は、一歩遅い。
というセリフに幾重にも重ねられた思いが乗って、若いころの初々しい恋愛を思い出して胸が締め付けられます。
ありがとうございますしか言葉が浮かびません。

　素敵な作品だと思いました！まさに、切なく甘い二人のお話でした！純朴な互いの恋心、ヒロインの手紙、そして最初と最後の逆転の構図。シンプルで荒んだ心に染みます……こういう作品をたまに読んで、自分の心を浄化しなければいけないな、と思いました。心が荒んだ貴方、純粋な恋が見たい貴方、そしてそれ以外の人たちにもおススメです！

最初はありきたりのラブコメ系かなって思ってました。まずその事を謝罪したいです。
読み進めていくにつれ、私が予想する展開とは違う展開で、とても驚きました。最後の結末も、全く予想外で……。恋愛系のお話の中で、1番好きな作品です。
素晴らしい作品をありがとうございました。

ちょっと気弱な男の子・鈴木くんと、チャーミングな人気者女子・ヒカリちゃん。高校生の男女が織りなす青春ど真ん中ストーリーです!

鈴木くんがヒカリちゃんの傍にいるだけでドキドキしてしまう気持ち、自分が傍にいてもいいのかという悩み……心情が丁寧に綴られていて、なんともピュアでみずみずしい。
豪雨のあと虹がかかるシーンでは、映像がばぁーっと頭の中に流れて眩しくなりました。

このまま何の起伏もなく終わるのかと思いきや、終盤で話が一転。
困難を乗り越えた鈴木くんは、二年後、再びヒカリちゃんの前に立ちます。
前半ではどちらかといえばヒカリちゃんの方が気弱な鈴木くんを引っ張っていましたが、終盤では鈴木く…続きを読む

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（187文字）

最初はありきたりな恋愛物かな、と思って読み進めました。

しかし、それはいい意味で裏切られます。

話数が進むたびにどんどんと引き込まれて、気がつけば自分の青春時代を思い出していました。
結末まで、目が離せませんでした。
主人公たちのひたむきさ、純愛にも心惹かれ、とても好感が持てました。

まだお読みになっていないかたは、ぜひ読んでみてください。

彼女が僕に、賭けの提案をする。追試の点数で負けた人は、勝った人の言うことを全部聞かなきゃいけない、と。そんなことを言われてドキドキしない男子はいるだろうか。僕の答えは決まっている……。

そんな青春の駆け引きから始まる本作。
〈天泣〉という素敵な言葉を軸に、甘く、切ない恋模様を描き出します。人生に困難はつきもの。平坦な道のりではないからこそ、人と人との関係は大切なものとして育まれていくのでしょう。

ヒロインの囁きや、××（ネタバレ！）など、〈声〉を意識した作品であることも強調しておきたいところ。皆さまは、どのような声を想像するでしょうか。未読の方は、ぜひご確認ください。