僕たちは愛しているが言えない

短い文章の中でいかにリズム感を出し、読ませるか
すっきりと頭の中に情景が浮かび、抱きしめ会う少女たちが持つ天秤が殺意にあっさりと傾く場面が脳内にはっきりと浮かんだ
彼女はこれからどうするのどうか、人を殺してしまったというのにどこか希望すらも見出せるほどあっさりとした引きの後に残る余韻はまさに降り積もる雪のようだった

美しい歌声と夢のような雪景色、そして、ほんの薄皮一枚下に潜む生々しい感情と生々しい肉の現実。この夢が無惨に醒めることは分かりきっていても、彼女は雪の下にそれを埋める……あまりにも美しく儚く、愚かで救いのないお話。相反する２つの要素の落差が鮮烈な一品です。