概要
朝陽が四度弧を描いて 月が三度弧をなぞるまで
とある秘密を明かされてから、夜も穏やかに眠れず、母親とぎくしゃくするようになり、学校での居場所も無くしてしまった、本人曰く〝人生に絶望している〟自称半端者の少女、雪村希望は、二年前に辺鄙な港町から東京というひとの海へと旅立っていった腹違いの兄、雪村幸一を探す冒険に出る──はずだった。
復興の火を灯しに行こう 裏では騒く 人の町
ルゥリィラルラッタ ルゥリィラルラッタ
妙ちきりんな歌に引き寄せられて訪れた少なきものの町で、希望は幸一と瓜二つな恰好をした鯨と出会う。ひとの姿を取った絶滅危惧種が復興の火を灯し合うために存在しているという少なきものの町の猶予が無くなるまでに、元の世界へと帰ろうとするが──。
ひとの心を知っていく。すべての少なきものたちに贈る、揺らぐ少女の成長譚。
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