『少し歪んだ掌編小説集』の通り、どこか確かに歪んでいる。でも、その歪みはひねくれているものではなく、人間本来の姿を真っ直ぐに描いた歪みだと感じました。繊細な文章、触れば崩れそうな繊細な物語、そして繊細の中に産まれた歪み。このセンスは独特のモノで、なかなか作れるモノではないと思います。最初に読んだ『紐づくもの』に衝撃を受けました。一つの舞台道具からの物語の始まりから終わりを描いていて、どこの文章を切り取っても美しい。葉子さんの作品に私はこれからも衝撃を受けるでしょう。それが傷つくとかではなく心地よい繊細な歪んだものとして。
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