概要
思春期の心に芽生える葛藤と友情、揺れ動く憧憬の思い―。
根津珠樹は妹の目が生後間もなく失明していることや父との別居など複雑な家庭環境を抱える中で自律神経失調症を煩うようになる。中一の頃にはいじめにも遭い、失意のどん底のような日々を送っていたが、中二の頃に転校してきた桂木美咲との心の交流を通して少しずつ自信を取り戻していく。しかし、ふたりの心の絆が深まった頃には美咲は転校。中三になって受験期を迎えた珠樹は、転校してしまった美咲と文通を通して心の交流を続け、新しいクラスでできた友人たちとの交流も深める一方、クラスでも目立つ存在の夏木笙を珠樹は意識しはじめる―。
友情と恋愛の狭間で生じる心の葛藤を乗り越えながら駈け抜けていく青春の日々と数年後の再会を経て新たな出会いとともに複雑に揺れる気持ちや親子の絆を描いたヒューマンドラマ。
※第5回カクヨムWeb小説コンテスト参加作品(2019)
友情と恋愛の狭間で生じる心の葛藤を乗り越えながら駈け抜けていく青春の日々と数年後の再会を経て新たな出会いとともに複雑に揺れる気持ちや親子の絆を描いたヒューマンドラマ。
※第5回カクヨムWeb小説コンテスト参加作品(2019)
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!友情と恋愛の葛藤を丁寧に描いた、甘くも切ない文学小説です
心の悩みや葛藤に悩まされながらも家族と懸命に生きる、根津 珠樹という少女が主人公の青春文学小説です。
一人で悩み事を抱えながら生きる珠樹に対して、同級生として距離を縮める桂木 美咲という少女の存在がとても魅力的です。そこには同年代の少女たちだからこそ共感出来る場面が数多く描かれており、美咲のように前向きになる珠樹の心情が丁寧に描かれています。
そして夏木 笙という少年の登場によって、物語が友情と恋愛の葛藤を描いた内容に変化していく過程もポイントです。お互いに素直な気持ちを表現出来ないその心情は、まさに思春期を過ごす中学生ならではの姿です。さらに不器用ながらもお互いの気持ちを確かめ合…続きを読む