概要
正しさは、誰も救わない。それでも実は鳴っている。
火が降った日、少年レオンは全てを失った。
家を、母を、父を──そして「正義」が何なのかを問う資格すら。
桃太郎の伝説が残る異世界エルディア。超大国オルグレンは「自国民の繁栄」を正義に掲げ、小国の資源を奪い続けている。魔導装具「クラウン」を持つ者だけが「鬼」と呼ばれ、暴力を独占するこの世界で、辺境の村から召喚されたレオンは、父の遺した「契りの実」を握りしめ、西へと歩き始める。
損得でしか動かない情報屋ナディル。没落名家の誇りに縛られた技術者シェンリー。そして、レオンの村を焼いた張本人であるオルグレン兵士カイル。
全員が、自分の正義を疑わない。
全員が、自分の正義のために誰かを傷つけている。
「正義とは何か」──この問いに答えはない。
だが、契りの実は鳴り続ける。信頼が生まれたその瞬間だけ、静かに。
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