「草」「空」「温める」という三題噺の要素が、物語の核としてあまりにも美しくはまっています。 雑草に埋もれた廃駅(=荒んだ現状)から、かつての愛を取り戻すために汗を流す夫・信造の姿がとても素敵でした。一瞬だけ訪れる奇跡のようなシーン、そして翌朝の穏やかな日常への着地。これからも続いていく二人の旅路。寒い冬の日に、心を芯から温めてくれる物語。シチューを食べながら読んでみたいお話です。