その手の温もりを私だけのものにしましたの。 ずっと一緒にいられる様に。

これは、ひとりでは眠れない夜を知っている少女の物語。

少しも特別なことではないと思いますわ。
握った手の温もりに、それが恋だと気づいても。
叶わぬ願いと知っていても、どうしても諦めることができなかった。
そんな初恋のお話なのですもの。

もしも熱い恋だったなら、いつか冷めたのかもしれませんね。
でも、あたり前にあった温もりだったのですもの。
穏やかな思いほど、失い難いものでしょう?

結末をお知りになりたいの?
困りましたわ。
わたくし、あからさまな言葉は苦手でしてよ。

そうですわね。
クッションを抱くときの感触。
薔薇が美しく咲き続ける理由。
この事柄を、お考えになって?
でも言葉には、なさらないで?
内緒だから、変わらずにいられることもありましてよ。

まだ、おわかりになりませんの?
では、このお話をご覧になってはいかがかしら?

なにも難しくはありませんのよ。
だって、誰にも覚えがある初恋のお話なのですもの。

その他のおすすめレビュー

木山喬鳥さんの他のおすすめレビュー748