概要
少女は祈る。
生きるために。
祈れば、誰かは救われる。
だがそのたび、
世界には“ありえない強さの魔物”が生まれる。
――祈りは、敵を強くする。
その代償を、
すべて背負わされる男がいる。
「好きなだけ祈れ。
その分だけ俺が、殺してやる」
祈る少女と、
歪みを斬り続ける剣士。
これは、
終わりのない戦いの中で、
“強くなり続ける敵”を斬りながら、
閉じた世界を壊しにいく物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!重厚なダークファンタジー好き、これ当たりです。
外界と切り離された集落で生まれた主人公が、山の主を倒して外へ出る――
ここから一気に物語が動き出します。
読みやすいのに軽くない。
不思議と『渋さ』が残る文章で、気づいたらどんどん読んでしまう。
戦闘シーンも重さと迫力があってかっこいいです。
揺れる空気。振動。
空を切る音。
湿度と鼻をつく血の匂い。
短い描写にリアルがあります。
派手な技名はなくても、戦士の呼吸が分かります。
Dragon's Dogmaのウォリアーみたいな、重い一撃のある戦いが好きな人は刺さると思います。
この『重さ』が好きな人には、たまらない作品です。 - ★★★ Excellent!!!残酷なる等価交換の世界で……
この物語を読んで私が思ったのは、『等価交換』というキーワードだった。ヒロインのセラが、主人公のガルドを助けようと奇跡を使えば使うほど、世界のどこかでその皺寄せが現れ、最終的に二人をさらに苦しめるのだ。まさに、等価交換。何かを得るためには何かを失う必要があるとはまさにこの事なのだろう。
……だが、本作の最大の魅力はガルドの不屈の意志なのではないだろうか。力を誇示する訳でもなければ、イキる訳でもない。ただ、生きようと厄災に抗い続け、大剣を振るい続ける。その姿が、渋くて格好良いと思う。
高品質なダークファンタジー小説。是非、オススメしたいぜ。 - ★★★ Excellent!!!祈りが力である世界で生きる、祈りと現実を背負う二人の物語
この作品は、「祈るほど魔物が強くなる」という不穏な設定を軸に、剣士ガルドと祈る少女セラの関係性を丁寧に描いている点が魅力の作品だと思います。
物語序盤では、閉ざされた山の集落から外の世界へ踏み出すまでの過程が落ち着いた筆致で積み重ねられており、特に灰皮の主との戦闘で、セラの祈りが生んだ一瞬の隙によって討伐が成立する場面は、この作品の設定が単なる背景ではなく物語そのものに深く関わっていることを印象づける象徴的な場面でした。
また本作は単なる討伐中心の冒険譚ではなく、祈りが力であると同時に危うさを孕んだ要素として描かれている点も印象的です。
ガルドが英雄としてではなく、セラが外の世界で生き…続きを読む - ★★★ Excellent!!!祈りの代償を背負う剣が、胸に刺さる
異世界ファンタジーって、強い設定に出会うだけでも嬉しいやん。
でもこの作品は、設定が強いだけやなくて、その設定がちゃんと人の痛みと結びついてるところが、ほんまにええんよ。
『祈るほど魔物が強くなる世界で―好きなだけ祈れ。その分だけ俺が、殺してやる』は、タイトルの時点でもう十分に気になる作品なんやけど、読んでみると、その言葉の重みがちゃんと物語の芯になってるんです。
祈ることが救いになるはずやのに、同時に災厄も呼び寄せてしまう。そんな残酷な世界で、それでも誰かのために祈ってしまう子がいて、その代償を引き受けるように剣を振るう男がいる。
この関係性がまず、めちゃくちゃ強いです。
しかも、ただ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!重くて誠実な物語が好きな人に、ぜひ読んでほしい作品です。
この作品は、派手さや過剰な演出で読者を引き込もうとしない。
それなのに、読み進めるほどに心の奥へと深く入り込んでくる。
その理由は、とてもはっきりしている。
書かれている言葉一つ一つが、嘘をついていないからだ。
文章は驚くほど簡潔で、無駄がない。
短い文なのに、そこには重みがある。
とくに戦闘や負傷の描写では、「強さ」よりも「生き延びるための選択」が前に出ていて、体の痛みや迷いがそのまま伝わってくる。
「痛みは遅れて来る。遅れて来る痛みほど、厄介だ。」
この一文だけで、この物語の世界観と書き手の感覚の鋭さが伝わってくる。
説明しすぎないからこそ、読者は自然と登場人物の内側に入り込める。
ガル…続きを読む