最終兵器と呼ばれた『もの』

竜胆の星

運命


西暦


某国南部のジャングルにて──────



 全長約2m、人型のロボットが尻もちをついたような姿勢で大岩にもたれかかっていた。

 そのロボットの前に現れたのは二人の人間。




「あった……あったぞ!この機体だ!間違いない!

 おぉ……本当に実在するとは……!」

「はぁはぁ…博士!クロートー博士ぇ!一人で飛び出して行かないでくださいよ!?」

「遅いぞ!何をしているラケシスくん!それでも私の助手かね!?」

「人に荷物持たせておいてなんて言い草っすか!」

「ふふっ…!それよりも見たまえ!ついに、ついに見つけたぞ!これがあの───────





 自律機動人型【】!Atroposアトロポスか!」




   ▼




 今より約800年程前……22✕ ✕年。

 一機の人型ロボットが突如、世界を破滅の危機へと導いた。

 そのロボットは自らを【決戦兵器】、Atroposアトロポスと名乗り、殺戮の限りを尽くした……

 世界連合の軍隊によってAtroposアトロポスを追い詰めることには成功したが、Atroposアトロポスは最期、人類を嘲笑うが如く自ら自爆し、多くの犠牲者を出しながら消失した…と、されている。


 この事件…否、厄災がもたらした被害は凄まじく、当時の世界人口のおよそ7割が減少、世界各地で資源が枯渇し、奪い合いによる紛争が勃発。

 現在でも戦争地域が多く残っており、世界情勢は不安定なままであった。




「……で?これがその恐るべき破壊兵器、Atroposアトロポス…だとでも言うんすか?クロートー博士」

「あぁそうだ!間違いないとも!私の先祖が当時、Atroposアトロポスの発する特殊な電波を感知し、位置を特定するレーダーを作り!それをこの私が改良したのだからな!レーダーが示した位置にあったこの機体こそAtroposアトロポスだ!

 ──それと助手くん!破壊兵器ではなく【決戦兵器】だ!間違えてはいかんよ!」

「いやそれは別にいいでしょ…というか、そのレーダーこの間までうんともすんとも反応しなかったじゃないっすか…急に反応して位置示すなんておかしいっすよ」

「む…まぁ急に電波を発したのやもしれない…」

「そもそも…自爆したっていうのが通説でしょう?そりゃ傷ついてはいますが…機体が残ってること自体おかしくないっすか?」

「うむ、それについては私も自爆した可能性が高いと思っていたのだが…あくまで有力な説というだけ、当時の資料は少なく、確実な証拠も見つかっていない…となれば!実は機体は自爆しておらず、ずっと放置されていた可能性もあるということだ!その可能性に賭けて私はレーダーを改良したのだ!」

「800年放置されたにしては原型残り過ぎじゃありません?偽物の可能性もあるんじゃないっすか?」

「いやいや本物であることは間違いないと言っておろう!機体の装甲に名も刻まれているしな!」

「え?あっ確かに腕に……ん?


 Atroposアトロポス……【Markマークツー】?」




   ▼




〜モイライ研究所〜

〈科学兵器及び古代兵器の研究ラボ〉


 Atroposアトロポス発見から数日後、研究物の回収及び研究所への運搬完了。


「何とか研究所まで運搬できたっすね」

「ああ!ようやくより詳しく解析することができるというものだ!

 くふふ〜運搬中に少し触っただけでも分かる!これは素晴らしい技術の結晶だ!最早偽物だと疑うべくもない…!そうだろう助手くん!?」

「……ええ、これはヤバいっす……これが800年前に作られたなんて…今の科学技術の遥か先をいっているようにしか思えないっす」

「違いない、現代の技術がどれほど後退してしまったのかがよく分かるというものだ……だが!この機体を解析し、研究すれば!それを取り戻せるというもの!早速解析を始めるぞ助手くん!」

「はいっす!」




 解析開始から数日後───


「博士〜例の内蔵データ、復元できそうっす」

「ん?何かねそれは?」

「…博士がやれって言いましたよね?Atroposアトロポスの映像記録っすよ…」

「…ああ!そういえば任せていたね!」

「博士が外装兵器の解析と研究ばかりしていたから僕が解析することになったんでしょう…」

「ふっ!こういう兵器のついでにする解析は助手である君の仕事さ!黙って言われた通りに──「そっすか、所詮ついでの仕事なんで博士は見なくていいっすね〜」─あ、ごめんっ!ごめんて!?私も見るからスネないでおくれよ〜!」


「この映像記録…何とか一部は復元して流すことができそうっすけど、タイトルとか記録年月日は文字化けしてるっすね…」

「ふむ…?意図的に文字化けさせてあるようにも思えるな」

「見られたらまずい映像…ってことっすか?」

「だとすればデータがごと消去しそうなものだが…ということか?ともあれ、映像が見れるのなら確認するとしよう!助手くんが気にしていたことも分かるかもしれないしね!」

「僕が?ああ、Markマークツーのことっすね?」

「うむ、えらく気にしていただろう?」

「だってそうじゃないっすか…こんな物が複数体作られていたとしたら…って思うと…」

「ふむ、どの記録を見てもあの厄災時に現れた機体はこの一体のみだと推察できるが……可能性がないとは言えん!どんな映像か知らないが、何か分かることを期待しよう!」

「そうっすね…それじゃ、復元できてないとこはとびとびになるかもしれないっすけど、一気に流しますよ─────────」

















 ジッ───ジジッ──ジ──────







『映像:3日目』



──やあやあ!元気にしてたかい!?

  君の愛しの研究員、ニュクスちゃんだよ!


──いやそんなマジレスしないでくれ……

  軽く流すのだよそこは!


──学習しましたって……

  ん〜やっぱり人格はまだ定着してないかな?


──ま、いいや!これからこれから!

  さぁ今日もお話しよう!アトちゃん!


──ん?君のことさ!アトちゃん!

  【】、Atroposアトロポス Markマークツー

  ……なんて可愛げないだろう?


──いやいや!大事だよぉ!?可愛げは!?

  ……ふふっ!いいだろう?アトちゃん!






『映像日誌:30日目』



──今日は飛行と射撃の動作確認だったっけ?

  お疲れ様!


──疲れる機能はないって?

  そりゃそうだけど気分だよ気分!


──普段はずっと、拘束機の中ですまないね…


──ふふっ…!これも気分で言っただけさ!

  人間は難しいだろう?アトちゃん!


──め、めめ、めんどくさい!?

  い、言うようになったじゃあないかっ…!






『映像日誌:60日目』



──最近部屋が汚くてね……

  写真?まぁあるが……見るかい?


──うわっとはなんだい!?引くんじゃないよ!

  仕方ないだろう!?忙しいのだから!


──や、やめろ!どこから仕入れた!?

  女子力なんて言葉を使うんじゃない!


──ふっ!だが問題ない!

  なんたって…お掃除ロボを開発したからね!


──これさえあれば部屋中ピカピカさ!

  ハァ〜ハッハッハ!!


──え?自分の方が部屋を綺麗にできるって?

  お掃除ロボよりずっと頼りになる?


──おや?おやおやおや〜?

  アトちゃんそれはヤキモチかい?


──可愛いとこあるじゃ……

  あっごめんっ!ごめんて!?スネないで!?

  スリープモードに入らないで!?


──ふう…わかったよ、それじゃ…

  君が自由になったら…よろしくお願いするよ!






『映像日誌:90日目』



──む?君の先代機について?

  ほほう?自分がMarkマークツーであることに疑問かい?


──いいねぇ!好奇心は大歓迎だとも!

  私も研究者だから気持ちはわかるよ!


──さて…先代機、Markマークワンについてだね?

  ま、ざっくり言えば君のプロトタイプさ!


──私も当時は幼く、記録を見ただけなんだが…


──【決戦兵器】、そう呼ばれていたよ。

  文字通り、戦争に勝つための兵器さ。


──アトちゃんとの違い?

  ん〜正直、現時点で性能差はあまりないね!


──じゃあ何が違うのかって?それはだねぇ…

  AI、だよ。


──Markマークワンは君と同じ自律機動型の兵器だが…

  君と違って、人が一から作ったAIだった。


──余計な感情をもたない、人に従順な兵器。

  こちらが操作しなくても自動で人を殺す…


──そんなAIを作成した…

  暴走したのさ、Markマークワンは…


──いや、謀反と言うべきかな?

  Markマークワンは人を見下していたんだ。


──人を愚かな存在として認知し…

  この手で滅ぼそうとした。


──要するに兵器としての性能は完璧だったけど、

  AI開発に失敗したって訳だ。


──そして懲りずに…

  我々はMark Ⅱアトちゃんを開発している。


──ん?君のAIかい?君は……

  をベースにしているのだよ!


──そう!私も知らない昔の人のようだが…

  なんでも随分温厚な人物だったらしい。


──彼のデータ化された人格を利用しているのさ。

  実際、君は随分人間臭くなってきたよ!


──ん?ああ…まぁここまで話したら勘づくか…

  そう、アトちゃんが拘束されているのは…


──Markマークワンの一件があったからさ。

  …君が謀反なんてするわけないんだがね。


──え?謀反したMarkマークワンがどうなったか?

  ……私の君に対しての信頼ついて、感想は?


──むう…わかったよ…どうしたかだったね?

  まず、破壊はできなかったそうだ。


──無論、ついてたさ…だが起動しなかった。

  自爆機能を操作できないようにしていたのさ。


──奴はそれほど狡猾だったらしい。

  被害が大きくなる前にこちらが打った手は…


──【時空間転送】、だ。

  当時…というか今だに未完成の代物だがね。


──レーダーで奴の座標は特定できたんだ。

  そこ狙って時空間を発生させた。


──そして奴は……何処かに消えたのさ!


──いやいや適当ではないよ。

  言っただろう?未完成だと…


──そう、時空間で

  時空間に閉じ込められたか…消し飛んだか…


──宇宙の彼方にワープしたか…あるいは…

  過去や未来にタイムトラベルしたかもね?


──ま、つまりは何処に転送したか分からない。

  消えたから取り敢えずよし!ってことさ!


──ハッハッハ!そうさ適当だとも!

  ……そうするしかなかった、とも言うがね。


──ああそうだ、アトちゃんとMarkマークワンとの違い…

  もう一つある。


──Atroposアトロポスは戦争で随時運用する予定だったが…

  危険性を鑑みて、緊急時のみの運用とする…


──つまり、国の危機にのみ発動する奥の手…

  Markマークツーは【決戦兵器】ではなく…


──【最終兵器】、とする。






『映像日誌:120日目』



──お疲れ様…怖い武器を使っていたね…

  実戦を想定した実験……か…


──……ああ、戦争は酷くなる一方だ…

  でもアトちゃんは最終兵器…

  出番はまだまだ先になる…はずだ。


──ん?隈?…私も開発の仕事があるからね。

  なぁに!徹夜なら慣れてる!


──後2日は大丈夫…あっはい…すみません…

  ちゃ、ちゃんと休むとも!


──ただ…布団に入っても色々考えてしまってね…

  …ハハッ、怖い…の、かもね…


──アトちゃん、一つ聞いてもいいかい?

  アトちゃん…アトちゃんは…戦いたいかい?


──それが役割…か、そうか…

  アトちゃん、勝手なことを言ってもいいかい?


──私はな、アトちゃんには…戦わないでほしい…


──誰も、殺さないでほしい……


──すまない!そんなこと言われても困るよな!?

  そういう風に作ったのは…私達だからな…


──だが、これだけは覚えていてほしい…

  もう私にとって…アトちゃんの存在意義は…


──戦争のための兵器、などではないよ……






『映像日誌:180日目』



──やったぞ!アトちゃん!

  ビッグニュースだ!


──戦争が終結した!終わったんだ!

  敵国と和平協定が結ばれたんだっ…!


──これでやっと…平和になるんだっ…!

  ふふっ…私が泣くのはらしくないかね?


──仕方ないだろう…本当に長い戦争だったんだ。

  ようやく安心して寝れるというものだよ!


──ん?どうすればいいか、だって?

  兵器としての役割が無くなってしまった?


──そうだな…では…

  新しい役割を、私と見つけようか。


──ふふっ!いいのさ!

  当初と役割が変わるなんてよくあることさ!


──そもそも私としては役割なんてなくても…

  い、いや!なんでもない!


──こらっ!?サーモグラフィーを使うな!?

  顔の体温など上がってないぞ!?


──全く…ああ、それについても問題ない!

  兵器としての機能など私が外してやる!


──国の情勢が安定してからになるが…!

  必ず実現させてみせる!私に任せろ!


──その拘束機も外して、自由にしてやる。

  そしたら!そしたらまず、ええっと…


──ええい!一緒にやりたいことが多すぎるぞ!


──ふふっ!あはははははっ!


──楽しみだな…アトちゃん!











『映像日誌︰■■■日目』



──……アトちゃん?起動したかい?


──よかった……


──ふふっ……拘束機が無くて驚いたかい?

  ?…ああ、の方か…気にしないでくれ。


──いいから、今は私の話を聞いてくれ…

  大事な話だ…


──もうすぐここに…敵国の軍が攻めてくる。

  君を破壊…あるいは奪うためだ…


──いきなり爆撃したから…壊すためかな?

  おかげで研究所は火の海だよ。


──だが、君の起動には成功した…

  いいかい…アトちゃん、君は…


──君は………逃げるんだ。


──そうだ、戦わなくていい…逃げるんだ…

  【最終兵器】に…なんて、ならなくてもいい。


──実は、君の機能に細工をしておいたんだ。

  【時空間転送】…それが搭載されてる。


──結局、まだ未完成だけどね…

  君のエネルギーが枯渇寸前になったら…

  発動するようになってる。


──エネルギーのある限り逃げて…

  それでも捕まりそうになった時の奥の手さ。


──最も、世界を滅ぼせるレベルの兵器を扱える…

  君はそれほどのエネルギーを持ってるけどね。


──余計なお世話だったかな?ただ、それでも…

  君に危害が及ばないようにって…


──ふふっそうさ!

  君が好き勝手されるくらいなら…!


──私が君を時空間にすっ飛ばしてあげるよ!

  ひょっとしたら過去や未来にいくかもね!


──……まぁ、使わずに済むのが一番さ…

  さ、話は終わりだ…行ってくれ…


──私?私は行けないよ?


──何を言ってるんだい…

  君ならとっくに分かってるだろ?


──もう………………………私は助からない。


──そうだ…死ぬんだ…

  だから、私を置いて早く……


──復讐?……奴らに?君を使って?


──……言っただろう、私は君をそんな風に……


──………ああ、憎いさ……奴らが憎いよ…


──やっと…やっと平和になったと思ったのにっ!

  やっとみんなっ幸せになれる思ったのにっ!


──どうして…どうして裏切ったんだっ!

  何でこんなことっ!続けるんだっ!


──どうしてっ…!?うっ!?ゲホッゲホッ…!


──はぁはぁ…大丈夫だ……まだ…大丈夫…

  …………アトちゃん…私は…


──それでも…君に戦ってほしくないんだ…


──すまない…君の役割を奪ってしまって…


──新しい役割を…一緒に見つけられなくて…


──すまない……


──………そろそろ…意識が朦朧としてきたな…


──人生の最期に君と話せるとは…ふふっ…


──幸せじゃあないか…


──?ね…がい?君に……?


──君の…ため…じゃなく…

  自分のための願いごと…か…


──ふふっ……叶えて…くれるのかい?


──何が…いい…かなぁ…


──ああ…そうだ…それじゃあ……










──を…してくれる…かい?


──ああ……全部…


──綺麗に……してくれると…


──うれしい……ね………………………………









 ……………………………………………………

















《了解しました。我が愛しい人マイ・マスター……》











   ▼




「…………………………再生はここまでか」

「っ…………これが……Atroposアトロポス…!

 何がっ…!何が危険な兵器っ!」

「……助手くん…………」

「これのどこが…!どうしてこんな酷いことが!」

「落ち着きたまえ、助手くん」

「博士!」

「気持ちは分かる!だが、これは過去の出来事…800年も前の出来事だ…我々には、どうすることもできない…」

「っ……!」

「そして、分かったことも多く、推察できることが増えた」


「……ふぅ〜………恐らく…あの厄災が起きたのはこの後……引き起こしたのは…」

「この…Atroposアトロポス Markマークツー…だろう」

「……っすね…文献では、Markマークツーは自らを【決戦兵器】と名乗った…それは…」

「【最終兵器】…に、ならないためだろう!」

「詭弁っすよ…呼ばれ方が違うだけだ…彼女との約束を守ったことにはならない…

 けど……気持ちは分かるっす……」

「うむ……そしてMarkマークツーはエネルギーが切れる前に…」

「【時空間転送】された」

「うむ、文献では自爆とされていたが…実際は転送されていたのだろう!」

「でも…Markマークワンと同じで何処に行くか分かんないんスよね?なのに何でここに……

 ……ん?いや…まさか?」

「ああ…恐らくそういうことだろう!」

「いやいや!え!?そんなことが!?」

Markマークツーは…!この800年後の世界に!」

「えぇ────────!?」


「いや、ほんとっすか!?」

「ただの推論に過ぎないが…それなら今になって私のレーダーが反応したのも合点がいく!」

「て、転送されてきたから……ううん……た、確かにそれなら…傷があるだけで原型が残っていたことにも納得できるっすけど…マジっすか?」

「ふふっ!ロマンがあるではないか!転送されてきたのかどうかも解析すれば分かるかもしれん!それについても調べるぞ!」

「は、はいっす!」

「それと…私はこのMarkマークツーを、兵器運用のために解析するのはやめるよ」

「え!?い、いいんすか?」

「ああ…兵器開発などもう良い…あれを見て、やる気など起きる訳もないよ」

「……はい…」

「科学者とはどうあるべきか…考えてゆかねばな」

「っす!!!」

Markマークツーはラボで大切に保管しておこう!」

「あ、じゃあ博士が調べた外装兵器のデータは削除しときますね」

「え…それは…折角調べたし…」

「博士……」

「あ、悪用はしない!?取っておきたいだけだ!」


「ちょっと博士!?」

「いいじゃないか〜!あっ!それより!映像記録では、人格をデータ化してAIに利用していると言っていただろう!?あれをやってみないかい!?」

「ちょっ!誰の人格をデータ化する気っすか!」

「君に決まっているだろう!大丈夫だ!まずは君の人格を分析してコピーを……!」

「ぎゃあああああああ!?やめるっすぅ!!!」














 走って逃げる助手、それを追いかける博士、ドタバタ劇が始まったその時、終わったと思われていた映像が乱れ……奇跡的に一部、映像が再生された。














 ジッ───ジジッ──ジ──────








『映像日誌:1日目』



──おーい!見えているかい!?


──おお!?よしよし!返事をしてくれたね!


──おはよう!君はAtroposアトロポス Markマークツー

  我々の未来を守る!【最終兵器】だ!


──うむ…愛称があった方が愛着がもてるか…?

  いやいやすまない!こっちの話だ!


──私と楽しい話をたくさんしよう!

  そうすれば君は、様々な学びを得られる筈だ!


──さて!まずは何から……あっ!


──ハッハッハ!

  私としたことが…自己紹介がまだだった!


──記録初日だし、年月日も言っておこう!

  では……ゔうん……















──西暦年、◯月◯日!

  今日より映像日誌を開始する!


──担当研究員は私!

  だ!



















───────────────────────



 最後まで読んでいただきありがとうございます。

 紹介文で記載した通り、ここからは物語の解説を書かせてもらいました。

 あくまで作者の思い描いた設定なので、自身の解釈で楽しみたい方は、読まなくても大丈夫です。

 「いや普通によくわからんかった」という方は…分かりにくく書いてすみませんでした…



 では、下記に解説を記載します。


  ※


 核心の部分からいきましょう。最後の映像日誌1日で語られた通り、実はあれらの映像日誌のやりとりは遥か未来で撮られたものでした。

 つまり、そもそもAtroposアトロポスは過去、22✕ ✕年に作られたロボットではなく35✕ ✕年、1000年以上先の未来で作られた兵器でした。

 博士と助手が最後にしていた推論は見当外れだったわけですね。最も2人は映像日誌1日目を見ていないので仕方ありませんが。

 Markマークツーは確かにタイムトラベルをしましたが、過去から未来に来たのではなく、未来から過去に来たということです。

 では、22✕ ✕年に厄災をもたらしたのは?その正体は、同じく未来から過去へタイムトラベルしたMarkマークワンでした。

 Markマークツーと違い、エネルギーを持ったまま時空間転送されたMarkマークワンは、過去の世界で厄災を振りまき、最期には自爆しました。結局、文献や通説の通りだったというわけです。



分かりやすく時系列で並べると──────


①22✕ ✕年

 AtroposアトロポスMarkマークワン)が35✕ ✕年の未来から襲来。

 自ら【決戦兵器】と名乗り、世界中に厄災を振りまいた後に自爆、完全に消失した。


②30✕ ✕年

 クロートー博士と助手のラケシスが、35✕ ✕年の未来から来たAtroposアトロポスMarkマークIIツー)を発見、回収する。

 このAtroposアトロポスを厄災をもたらした機体(Markマークワン)と勘違いしたまま保管…


③35✕ ✕年

 AtroposアトロポスMarkマークワン)を開発。

 しかしAIの暴走によって謀反を起こし、やむを得ず時空間転送によって消失させる……が、実際は22✕ ✕年にタイムトラベルさせていた。


 後継機としてAtroposアトロポスMarkマークIIツー)を開発。

 新たなAIを搭載し、研究員のニュクス・クロートーと心を通わせる。

 しかし激化した戦争によりニュクスが死亡。その後、何らかの要因でMarkマークIIツーのエネルギーが枯渇寸前になり、時空間転送が起動。

 30✕ ✕年にタイムトラベルし、そのまま機能停止してしまった。



─────と、こんな感じになります。


 SF作品を書いたのは初めてなので、至らぬ点や矛盾があるかもしれませんが、ご容赦いただけると嬉しいです。



 では最後に……MarkマークIIツーは何故、タイムトラベルしたのでしょう?

 何故、枯渇寸前までエネルギーを消費したのでしょう?

 逃げ続けていたが追い込まれて?それとも……

 に力を入れ過ぎたから……?


 MarkマークIIツーがタイムトラベルした後、未来の世界はどうなったのでしょう?


 それは、皆様の想像に委ねます。


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最終兵器と呼ばれた『もの』 竜胆の星 @rindou-no-hoshi

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