訳あって、魔法少女に変身した元プロ野球
小阪ノリタカ
なぜか、魔法少女になった
つい先日、
長年プロ野球で活躍していたが、身体の衰えと肩・肘の消耗が重なり、現役生活にピリオドを打った。
ある日、郷田さんが近くの公園を散歩していた時、空から小さな光のようなものが落ちてきた。
「そこのおじさん、ちょっと力を貸してくれないか?」
声の主は、小さな光の中から現れたピンク色の生き物。
「普段、この町を影から守っている『魔法少女』の一人が体調不良で来られなくなってしまってね…」
「いやいや、俺は女の子でも無ければ、いい歳したおじさんだぞ?冗談はやめ――」
次の瞬間、身体がピカーンと光って、気がつくと郷田さんはフリフリの衣装をまとった魔法少女に変身していた。
「ちょっ!?なんなんだ、この格好はぁ!?」
スカート、リボン、謎のステッキに加えて、フリフリの衣装。
見た目は可愛らしい女の子だが、中身は元プロ野球選手のおじさん。
そして、特に詳しい説明もされずに他の魔法少女の人たちと共に、町を破壊しようと企む敵と対決する羽目になった。
「お、俺はいったい何をすれば…」
「郷田さん、手に持っているステッキを振ったり、敵に目がけて投げてください!」
同じ魔法少女の仲間から助言を受けて、敵に目がけてステッキを思い切り投げた。
すると、投げたステッキの先から野球ボールが出現して、敵に直撃。
敵はその一球で倒れ、郷田さんの活躍により町の平和が保たれたが、郷田さん自身も魔法少女の仲間たちもピンク色の生き物も、みんなあの『一球』に驚いた。
現役時代には出せなかった剛速球がこの場面で出た。魔法による効果の影響も受けているとはいえ、現役時代の平均球速は140キロ前半だった郷田さんにとっては自分でも驚くレベルの球だ。
「…すごい球でしたね、今の球。郷田さん、160キロくらいは出ていたんじゃないですか?」
「軽く投げたつもりだったんだけどな…
ま、まあ、アレは魔法のひとつで俺の能力ではないでしょう」
そして、敵との戦いが終わった。…だが、郷田さんはここでひとつ疑問を感じる。
「この魔法少女の格好のまま、町の人たちの前に出るのか?」
すると、あのピンク色の生き物が言った。
「そこは安心して大丈夫。戦いから少し時間が経てば、元の格好(公園を散歩していたときの服装)に戻るから!」
その後、ちゃんと元の公園を散歩していたときの格好に戻った。
「それじゃ、また町がピンチになったら呼ぶからよろしく!」
「…いや、やるなんて一言も言ってないし、さっきも強制的にやらさ――ってピンクのヤツいないし!」
こうして、元プロ野球選手・郷田優の第二の人生「魔法少女」としての生活が始まった。
訳あって、魔法少女に変身した元プロ野球 小阪ノリタカ @noritaka1103
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