墓参り

@MISO_0603

第1話

祖父母と墓参りに行った。場所は愛知県北西のとある所。

周りは田舎らしい住宅街、薄銀色の雲が空一杯に広がり隙間から見える肝心の空は薄鼠色だった。岐阜に近い故に寒さが名古屋よりも強く下手をすれば氷点下に行くのではないかと思う程だった。


車から降りる、墓に行く道中で小雨らしきものが眼前を掠めた。『雪霰だ』

上を見上げる、深々と降り注いでいて私が住んでいる名古屋では中々見られないものだ


祖母に呼び掛けられ束の間の美しき景色を捨て目を真っ直ぐに向ける、鼠色の直方体が列を成して奥まで綺麗に並び、なんとも言えない哀愁が漂っている。寒さから身を隠しながら歩き曽曽祖父の墓へと向かう。

曽曽祖父の代はそこそこの資産家だったようで墓も中々なものだった。線香を上げ、不意に側にある石板に目を向ける、どうやら墓に入っている人名と没年が書いてあった。

『昭和三十八年 一月二日 八三歳 (人名)』

西暦に直すと1963年、その年に亡くなったのだから生まれは大正か


私はなんとも言えない感動と云うか、慈しみと云うか、思慮深い感情に染まった。そうか、この人は大正時代に生まれ戦争を生き抜き昭和に亡くなったのか

歴史の年表を見ても、昔の写真を見ても、こんな感情に染まったことはなかった、

改めて、そして初めて

私は歴史の重さを人の死で体感した。


空は変わらず、鼠色の雲空のままだった。

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