Project:Heart Sings -プロジェクト・ハートシングス-

翔峰リアン

第1話 アイドルの覚醒

『第一章  シングスブライトの戦い』

【第一話 アイドルの覚醒】



「ワァーーーーーー!!」

「みんなありがとう!!楽しかったよー!」

「それでは、私たちシングスブライトでした!ありがとうございましたー!!」


 キラキラと輝くペンライトやボードを掲げるファンの鳴りやまない歓声を浴びながら、ステージを後にした。ここは大きな舞台。会場の動員数も5万人をも超えるようなドームでの一幕。彼女たちは沢山の経験を持って、この場に立つことを許可された。現在はJAPANツアーの真っただ中。そして、全国ドームツアーの最終日を迎えていた。この大舞台に立てるまで、いくつもの困難を乗り越え、支えあってきた。グループとしての絆も堅固なものへと変化させていた。

 完走したメンバーの目には涙があふれていた。苦しい日々の開放と共にファンの子たちの温かさ、そして、何よりも終わってしまうという寂しさがある。

 シングスブライトのメンバーは水色担当空井莉奈、ピンク色担当桜井さや、ミントグリーン担当緑川霧子、オレンジ色担当甘田友美、赤色担当赤井真由美、青色担当青田海里、紫色担当紫水潤の7名である。

 周りから支えてもらって、成し遂げることが出来た喜び。ファンの子たちへの恩返しを歌とダンスで届けることが出来て、感情が爆発していた。


「うぇ~~~~~ん、、、。」


 ひときわ大きな声で泣いていたのが桜井さやだった。物事に対してすべてストレートに口に出すタイプ。そして、感情に正直に生きているタイプ。正直すぎて、苦労も人一倍してきた。そんな彼女もこのグループで良かったと思えるほどの運命的な共鳴で『シングスブライト』として、自分の存在を認めてもらった気がしていた。

 この7人が出会うきっかけも普通では考えられないような出来事だった。


 遡ること、5年前。事務所に集まった2人の存在から始まった。事務所に現れたのは空井莉奈。この事務所の研究生である。その事務所は若者の街に建っている。休日にもなると奇抜なファッションをした若者が集まって、それぞれの個性をファッションとして表現しているようだった。

 そんな若者の街の裏通りにあるのがアイドル、シングスブライトの事務所だった。この日は事務所のスタッフから呼び出しがかかっていた。突然の呼び出しに動揺はしていたが、事務所まで体力作りも兼ねて、走って向かうことにした。この日の気候は少し、肌寒い。春とはいっても冬の名残のある3月の寒空だった。ビルやマンションがあり、広い道路には車も沢山走っている。莉奈は車の走る道路を避けるように、なるべく、川沿いの土手にあるサイクリングロードを活用して走るのが日課である。莉奈と同じようにランニングしている人がちらほら見受けられる。桜の木も並んでいるがまだ蕾も小さくてこれから咲いていくのだろう。

 到着した莉奈はスタッフに挨拶を済ませて、事務所の中にある会議室に案内された。そこには、スタッフはもちろんの事、莉奈と同世代と思われる女の子がパイプ椅子に座って待っていた。莉奈は案内されるがまま、その女の子の隣に座った。すると、スタッフの一人が2人の前で話しを始めた。


「それでは、揃ったようなので、これから大事なことを発表いたします。」


 莉奈はきょとんとしている。なんの話か分からなくて、想像すらも出来ていない。周りには大人たちが何人もいて、莉奈たちを囲んでいる。その中には、事務所の社長の姿もあった。がっしりとした体型だが、顔が柔和で優しい社長である。莉奈が入所してから、ずっと、目を掛けてくれていて、人間味があり、懐の大きい社長を尊敬している。大人に囲まれながら、なんの話かと期待もしながら、待っていた。何か特別なことだということは雰囲気で感じ取っていた。


「発表します!空井莉奈!桜井さや!新しいグループを作り、デビューすることになりましたー!!」


 静かだったこの場の空気が一瞬で歓声と拍手に変わった。莉奈たちは涙を浮かべながら、感謝を周りに伝えていた。さやも涙を流しながら、嬉しそうにしている。ここで、社長が新グループについて、挨拶を始めた。


「空井莉奈!桜井さや!2人にはこれからも楽しく活動してもらいたい!グループ名は『シングスブライト』。直訳すると、輝きを歌う。心の中にあるものを、歌という形で光に変える存在。君たちなら、周りの人たちを必ず明るく、幸せにしていける。俺は信じている。」


 社長の温かい言葉にさらに胸が熱くなった。研究生として、日々のレッスンと自宅でも復習をしてきた。その努力が報われた気がした。ここからがスタートラインではあるけど、嬉しさで胸がいっぱいになった。落ち着いた声と芯のある言葉に、2人をやる気にさせた。発表が終わると社長が靴の音を響かせながら、部屋から出ていき、次の仕事へと向かっていった。

 胸が高鳴る中、2人は顔を見合わせながら喜びを分かち合っていた。さやも、また研究生として一緒にレッスンに明け暮れていた一人なのである。苦労も分かち合い、切磋琢磨しながら、デビューできる事だけを信じてやってきた。


「良かった、、、。良かったよ、、、嬉しい、、、。」


 涙を流しながら、2人は抱き合って喜んだ。入所して1年での抜擢。楽しみでもあり、責任の怖さもあり、少し緊張もある。だけど、アイドルしてファンの子も周りの人たちもそして、自分たちも、明るく照らしていけるアイドルになりたいと希望を膨らませた。


「これからシングスブライトとして活動することになったので、デビューするまでは体力づくりをまずやっていきます。いいですね?合間にデビューのための撮影も入れているから、覚悟してね。」


 基礎体力をつけるための、本格的なレッスンが始まる。ボイストレーナーも付けての、歌唱力アップ。ライブをこなせるだけの体力アップ。これから、やる事が沢山ある。デビューまでの間、一つ一つこなしていく必要があった。

 その一つに宣材写真の撮影も入ってくる。その時は衣装も着て取る。どんな衣装が出来るのか楽しみで仕方なかった。発表が終わり、この日はそのまま帰宅した。

 時は経ち、もう数日でデビュー日に差し掛かろうとしたとき、さやの様子がなんだかおかしい。今まで以上にネガティブで、毎日泣いている。自信がなくなって、今にも潰れてしまいそうで、表情も暗くなっていった。


「私達なら大丈夫!きっとやれる!楽しく頑張ろうよ。」


 そんな声も届くことはなかった。日に日にやつれていき、デビューの延期も視野に入れることもあった。

 莉奈は事務所の廊下をさやの事を考えながら歩いていた。すると、周りがパッと明るく光り、目の前に見覚えのない扉が現れた。神々しく輝き、そして、大きい。莉奈は驚いて、辺りを見渡した。周りは暗闇、扉だけが光っていた。静寂の中に光る扉。怖くなりうずくまった。どこからともなく声が聞こえてきた。


『この扉を開けよ!さすれば、道は開かれる!』


 低めの男性の声が響いた。誰が喋ったのかもわからない。周りには誰もいなかった。見知らぬ場所。静寂の空間に時の進みも感じられず、足の震えも止まらない。自分が生きているのかすらもわからない状態だった。


「我は、ノイズの守り手。大妖精マスター。現在、人間界にはノイズが蔓延し、ネガティブの温床が次々に出てきておる。そして、お前の周りもノイズによって、心を蝕まれているようだ。あの子を助けるにはお前の力が必要だ。協力してくれるか?」


突然の話しに驚きを隠せない。確かにさやの状態は莉奈の目からも異常さを逸脱していた。ただ、莉奈が出来ることといえば、さやに対して、言葉を掛けることと寄り添うことだけだった。莉奈自身に力があることを信じ切れずにいた。しかし、目の前の扉を開けない限り、何も変わらないと思った。勇気を出して、ドアノブに手を掛け、扉を開けた。

光で眩しくなり、目を瞑った。光が落ち着いたのを確認して、そっと瞼を開いた。そこは、広い部屋だった。窓もある。外には自然が豊かで緑が沢山見えた。山もある。川もある。湖も見えた。ただ、機械的な部屋だった。スクリーンと沢山のスイッチがある。何かを操縦するかのような場所だった。

莉奈が辺りを見渡していると、部屋の中央に浮かんでいる何かを見つけた。その何かは、部屋の真ん中にある台座に降り立った。

 恐る恐る莉奈は近づいてみると、そこには7色の羽を持ったおじさんみたいな妖精だった。体は二頭身で白いタンクトップに水色のストライプのステテコを履いて、お腹にグレーっぽい腹巻をしていた。見た目は昭和のおじさんだった。


「我は大妖精マスター。ノイズの守り手である。現在人間界に…、、、。」

「ハハハ、夢なのはわかってるんだけど、何?その格好。」

「笑うな。我は大妖精マスターなるぞ。夢ではない。」


 莉奈はついマスターの服装に笑いがこみあげてきてしまった。低音の声のわりに見た目が小さくて可愛くておじさんだということに衝撃だったが、コミカルな笑いが起きていた。ただ、マスターは真剣そのものである。莉奈も落ち着き、話しを聞く準備をした。なぜ、莉奈が呼び出されたのか、莉奈じゃないとダメだったのか。何もかもがまだ理解が追い付いていない。

 窓から部屋の外を見ると、灰色の物体が地面を這うようにうごめいていた。丸っこくてぷにぷにと柔らかそうで、見た目だけなら可愛らしい。どうやら、あの物体はノイズというらしい。


「人間の中には誰しもが持つ負の感情。それを具現化したものがノイズだ。小さいうちは害はないが、大きくなってゴーストになった時、それは鎮静化する必要がある。人間の中の感情が暴走を始め、自責や他責へと変貌していき、コントロールが効かなくなるんだ。その時の人間は苦しさを紛らわすことさえもできない。」


そして、莉奈が呼び出された原因となるのが、ノイズに混ざっているゴーストだった。ゴーストは人型をしていて、それぞれ個性もあるのだと、マスターに聞いた。ノイズの3段階目、いわば巨大なノイズは集合して合体し、ゴーストに変化する。ゴーストを鎮めるにはどうしても人間の力が必要なのだと。ただ、莉奈は理解しようとしたが、さっぱりわからなかった。一生懸命話をしてくれるのはわかる。ただ、現実の話しとはかけ離れすぎて信じることも難しかった。

 莉奈はさやを助けたい思いで一心だった。助けたい!それが莉奈の人を思いやる心。そこに嘘は付けなかった。


「私は何をすればいいの?さーやの苦しみをほどいてあげれる?」

「まず、目を瞑ってくれ。そして願うんだ!助けたいと!」


 莉奈は疑問をぶつけてみた。マスターはにっこりと笑顔を見せた。言われたとおりに目を瞑り、助けたいと願った。その時、胸の中でほんのりと温かさを感じた。その温かさは体内から飛び出したのを感じ、目を瞑っていてもわかる水色の光が莉奈の顔の前に浮いている。静かに目を開けてみると、水色の光はぼんやりと薄くなって、浮遊している物体の正体があらわになった。透明で綺麗な水色の羽に容姿端麗な可愛らしい妖精が浮いていた。マスターとは比べ物にならないぐらいの、八頭身ぐらいありそうな俗にいうイケメン妖精だった。

 イケメン妖精の名前はリオ。観測の妖精だという。莉奈の中にも特質として、観測の力が備わっている。周囲をよく見て違和感や空気を感じ取ることに長けている。莉奈は体の中から出てきた妖精についてマスターに聞いた。


「びっくりした~、、、。この子は、もしかして、私の妖精?」

「分身といえば、わかるか?こいつとお前は意識で繋がっておる。力を合わせた時、ゴーストの鎮静化が成功する。妖精は外側は攻撃できるが、内側は人間でしか触ることが出来ない。その為に協力して鎮静化する必要がある。」

「僕は観測の妖精リオです。莉奈の分身でもあり、お世話係。よろしく!」


 莉奈は目の前の光景が信じられなかった。マスターの姿でさえ、信じ切れていなかったというのに、2人目が現れてさらに、不安で締め付けられそうになっていた。それでも、リオとは初対面のはずなのに、なんだか懐かしい感じがした。莉奈の意識とリンクしているからだろうか。

 外ではゴーストが暴れまわっている。すぐにでも莉奈は助けに行きたかった。だけど、どうすればいいのかわからなかった。マスターはリオに話しをして、初めての戦いを見せながら、説明してくれるみたいだ。


「莉奈、外へと瞬時にワープしてくれる装置があるそこに乗るんだ。その装置は屋外に自由にワープできる。そこに乗ってくれ!今回は俺も一緒に向かう。」


 莉奈は2匹の妖精を引き連れて、ワープ装置へと足を踏み入れた。なんだか、足から伝わってくる振動に、不安がよぎっていた。鼓動する心臓の脈拍に似ていて、柔らかい。まるで生きているかのような感覚。不安と緊張が莉奈の意識を包んでいく。

マスターが装置を起動するためにスイッチを入れた。川が流れる様に体が流れに身を任せ、吸い込まれていった。すると、次の瞬間、屋外へと移動していた。足もとには小さいノイズたちがゴーストから逃れる様に、必死に地面を這いながら移動していた。


「こ、ここは・・・?」

「あぁ、外の世界だ!ここでノイズたちが暮らしておる。」


 莉奈は五感をすべて使って、外界を確認していった。その場所は至って、地球と変わらない。人間界と同じような緑の匂いがした。少し離れた場所でゴーストが暴れている。何かを叫んでいるような声がする。よく聞いてみると、さやの声がした。


『ダメ…でも…出来ない…苦しい…。』


 さやの苦しんでいるような声が莉奈の頭に流れてきた。その瞬間、莉奈も少し涙が出てしまった。負の感情が全部伝わってくる。この時、莉奈はゴーストの威力を思い知ることとなった。自然と流れ出る涙を拭いて、マスターとリオに確認をする。


「私は何をすればいい?」

「まずは、リオが先手で攻撃をする外側の膜を剥いで、そのあと内側の核を莉奈が破壊するんだ。おそらく、このゴーストは重力を操る。気を引き締めていけよ!」

「行ってきます!」


 リオは勇敢にも体の大きなゴーストに立ち向かっていった。リオは、ゴーストに向けて、物理攻撃で先手する。リオは器用にゴーストの周りを飛び回り、かく乱する。ゴーストはリオの姿を確認し、大きく叫んだ。


「ブォーーーーーーーーーーー!!!」


 途端にこの世界の重力が変化した。離れていた莉奈とマスターの所まで影響が出ている。急に空気が重くなった。近くにいたノイズたちも、平らになって押しつぶされている。莉奈は身動きが取れない。


「ぐ、、、な、、、んで、、、、??お、、もい、、、、。リ、、、オ?」


 リオも同様に地面にうつぶせになったまま、身動きが取れないでいた。足も手も動かすことが出来ない。その時、リオはゴーストに見つかった。ゴーストはリオの姿を確認し、歩み寄ってくる。莉奈はどうにかして、助けたいと思った。必死に動かそうとした。全然、体が動かない。でも助けたい。その時、必死に動かそうとして、瞬間的に緩む時があった。すぐ、重力は重くなるが、これをリオに伝えることが出来れば、何とかなるかもしれない。そう思った。


(一瞬の重力の緩みを伝えることが出来れば、、、、リオを助けたい、、、、。)


 莉奈は必死だった前線で倒れているリオの身を案じた。


「アクアピラー―――――!!!」


突然、叫び声が聞こえた。次の瞬間、水の柱が立ち上がった。まるで噴水のごとく、上へ昇っていた!水の柱がリオとゴーストの姿を隠し、莉奈からはまるで何も見えなかった。重力も元に戻り、リオの救出にマスターと共に駆け寄っていった。水の柱が無くなると、そこには、リオの姿があった。そして、ゴーストの姿も見つけた。ただし、ゴーストの体は一回り小さくなっていた。ゴーストのお腹には何か光るものがあった。それこそが、核の正体らしい。不気味に赤く光る核は脈打つように動いていた。


「莉奈、今だ!あの核に向かって魔法を使え!」

「ま、魔法!?え!?え!?」

「ハートプロジェクションじゃ!」

「え!?ハートプロジェクション、、、?」


 莉奈はマスターの言うままつぶやいていた。その時、莉奈の意識の中に映像が流れてくる。


(こ、これは、、ゴーストの記憶、、、意識?)


 殻に閉じこもって苦しんでいる。自責の念。マイナスな感情が流れてきていた。


(苦しい、、、辛い、、、なんで、、、自分ばかり、、、)

「きゃーーーーーーーー!!!!」


 この世界は光に包まれた。莉奈は負の感情に心がどうにかなりそうだった。負の感情が流れすぎて、頭の強い痛みが出ている。しかし、光は消えて、ゴーストはいなくなっていた。近くにいるのはノイズの小さい子たちが複数匹。何事もなかったかのように地面を這っていた。リオの無事も確認し、終わったのだとホッと肩を撫で下ろした。

 ゴーストから流れてくる感情のおぞましさ。莉奈は呆然と立ち尽くした。


「莉奈、助かったよ。あの時、気づいてくれなかったら、潰されてた。」

「も、もしかして、あの水の柱はリオなの!?だって、私、声に出来なくて、、、」

「そう。僕たちは意識で繋がっているから、念話が出来るんだ。」


 リオの魔法が不利なこの状況を打開した。

 周りのノイズたちは日常を取り戻したようだ。逃げ惑うノイズはもういない。平穏な時間を取り戻した。莉奈はしばらく、周りの様子を見ながら自分を取り戻し、さやの身を案じた。


「こ、これで、さやは助かったの?」

「あぁ、これで、あの子の心の平穏も取り戻せているはずだ。」

「早く戻りたい。さーやに会いに行きたい!」

「わかった。分身を体内に取り込んで戻れるように祈ればいい。」


 莉奈はマスターにお願いをして、外界から戻る方法を聞いて、人間界へと帰宅した。怒涛の長い時間で莉奈はへとへとに疲れていた。しかし、さやの心の心配をして、すぐに人間界へと帰った。

 妖精界へと飛ばされた事務所の廊下にたどり着いた。すぐに、さやの事を探した。周りのスタッフに聞いても、誰も知らない。莉奈は不安になってきた。もう、さやに会えないような、そんな気分にさえ思ってきていた。


「りなな~、なぁに、やってるの?」

「さーや~~~、、、。」


 莉奈は後ろを振り返った。そこにはさやがいた。莉奈は姿を見た瞬間、さやに抱き着いて、涙が止まらなかった。さやはきょとんとして、驚きを隠せない。

 しばらくして、莉奈の感情も落ち着いた時、さやに尋ねた。探したけど、見つからなかったこと。妖精界の事。ゴーストの事。さやを助けたい一心だったことも全部話した。さやは話を全部聞いて、笑顔で言った。


「りなな、ありがとう!私の事を助けてくれたんだね。今の話しを聞いて、納得したことがあったんだ。凄く苦しくて悩んで、自分の事もダメだって、自信が無くなって沈んでたのに、一瞬で、悩んでることが馬鹿らしくなったの。信じ難い事だけど、絶対にりななは嘘をつかない。私は信じる!」


 莉奈はまた泣いていた。さやが同じグループで良かった。出会うことが出来てよかった。


 一方妖精界では、人間界の様子を見ながら、つぶやくマスターの姿があった。静かに一人で納得するように発した言葉だった。


「次は、あいつだな。」

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