神尾信志のB級図書室

神尾信志

玄関前

神尾信志のB級図書室 玄関前


 どうも私は名文、名作とは縁遠い。野球だってドジャースとパドレスを見るよりは、近所の公園で小学生の三角ベースを見ている方が似合っている。


 二年前に近所の小学校の向かいに寿司屋ができて、いつでも空いているので月に二三度は一人で食べに行っていた。店の隅に小さなラックがあり、透明ファイルに小学生の手書きの作文のコピーが入れてあった。別に賞をとった作文ではない。きっと寿司屋の孫の同級生が書いたものを入れていただけだと思う。

 手の遅いご主人が寿司を握る間、二三人分の作文を読むのを楽しみにしていた。誤字脱字があるのは当たり前、どう読んでいいか迷う独創的なひらがなもある。それがどれもこれも、子どもの魂がはじけていて面白かった。その寿司屋が二ヶ月前に突然閉店した。寿司の味は覚えていないが、多分美味しくなかったんだろうと思う。

 枕はこれぐらいにして、私が勝手に好きになった小説について書いてみます。


 端的に言って、私はB級が好きです。何がB級かということから書きますね。

 まず、文がスラスラ読めるものはA、ザラザラしていてゆっくりしか読みようがないが味があるものがB。

 ストーリーでは、読み出した瞬間にフックがあり、驚きの展開があり、話をストンとまとめて落ちに持っていくものがA、この三つのどれかが欠けていて読み返さなきゃ分からないものがB。

 読後感が、快適な時間を過ごせて楽しかったなというものがA、なんだかエグミが口に残りスッキリしないものがBです。

 この三つの基準でAAAが書籍化されてベストセラーになるんでしょうか。これに一つでもBが混ざったら、私が心惹かれるB級です。


 このB級の中でも、これを読んでしまったら、もう今までの自分には戻れないという、魂を揺すぶるものをBB弾と呼ぶこととします。BB弾は最上級の褒め言葉ではありません。できれば出会わずに静かに生きていきたい、でもB級を求めていると、地雷を踏むように、たまに出会ってしまうのがBB弾だというだけの話です。


 私が今までに出会ったBB弾を思いつくままに並べてみると、夢野久作のドグラ・マグラ、阿佐田哲也の麻雀放浪記、夢枕獏の仕事師たちの哀歌、ツチヤタカユキの笑いのカイブツ、なんかですかね。


 では次回から、私がカクヨムで出会ったB級作品を紹介してゆきますね。

 まずは、PV 500以下、★30以下の現代ドラマ中心に探してみます。私と同じ感覚の人はついてきてくださいね。

 できれば、二年で閉店した寿司屋にならないように頑張ってみます。

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