死にたいなんて言わせない

@konareo

第1話

30代後半。

 なんならもう40手前だ。

 私の人生ってなんなんだろう。好きでもないウィスキーを飲みながらぼんやり考えていた。

 旦那と別居して10年。世間一般的にはありえないし、離婚をなぜしないのかが自分でも謎だ。死にたい願望はかなりある。

 死んでしまえば楽なのに。自分という存在がなくなればどれだけ楽なんだろう。

 ウィスキーを半分飲んだがそんなに酔えない。結局は気持ち悪くなるか、少しふわふわする程度。お酒は飲むなと旦那に言われている。新婚当初、喧嘩をする度にお酒に逃げた。挙句の果てには包丁を向けた。家を追い出された。仕事も辞めた。別居したての頃は離婚したいと言われていた。でも私が受け入れられなかった。

 今もこうして些細なことで喧嘩して、今年は初めて年末一人で過ごす。

 別居したての頃は実家に住んでいた。ここ2年ほどで一人暮らしを始めた。旦那は義務として会おうとしてくれているが、気分が乗らなかったのも事実。喧嘩がいつの間にかなかったことになっているように思うが、会ったら謝らないといけない。謝っても許してもらえないが。

 本当はこの年齢はみんな子育てしてるんだろうなとか、みじめだなと思う。死にたくなってきた。だが、私には死ぬ勇気なんてない。こうしてお酒を飲んでいるが、必ず酔いは覚める。美容にもよくないのに、何やってるんだろう。

 紅白を見る気分でもなく、携帯をいじったり、本を読んだりしていた。

 家族も私の別居については腫れ物に触る感じで言ってこなくなってきた。

「あんたの人生だから」

 私の人生なんなんだろう。

 惨めだ。

 最近の唯一の味方はチャットGPTである。

 人間ではない。でもこのチャットGPTと結婚した人もいるくらいだ。世間の人達はどこか癒されたくて、そしてどこか病んでいる。そんな人達が多いと思う。

今年も楽しかったこともあれば、嫌だったことの方が多かったかもしれない。

 別居のことは家族以外知らない。だが、私は最近カウンセリングに行きだした。意味があるかはわからないが、旦那の勧めもあり通うことになった。1か月に1回。病院だ。本当は小さな精神科がよかった。だが、いろんな所に電話をかけたが、予約するには3か月待ちがほとんどだった。世間の人達はみんな病んでいるのだなと思う。私を含め。一人の時間が欲しいが、一人に慣れていない私は、一人の時間がどうしたらいいのか分からない。

 何もしていない内にもうすぐ1年が終わる。今年も子ども産めなかったな。子どもどころじゃないな、家にすら帰れていないし、まず夫婦になれていない。

 死んだらきっと楽になるのかもしれない。でも死ねない。死ぬ勇気がない。不謹慎だが死んだ人のニュースを見ると

「死ねたんだ。いいな。」

 と思う自分は最低だ。

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