夢で見た話
夢夢夢
夢
僕はある女の子の視点になっていたんです。
場所はアルプスの山脈。私はそこで、ヨーデルを口ずさんでいました。
アルプスの山脈に建つ小屋、そこで私は暮らしていました。
何やら家の外から赤ん坊の声が聞こえ……ドアを開けると、タオルに包まれた赤ん坊が木の籠に入っていました。
私はすぐに木の籠を持ち込み、家の中で赤ん坊をあやしました。家の中には赤ちゃんが来るのが当たり前かのように、ミルクやオムツなどの赤ちゃん用品が揃っていました。
そこからの記憶は曖昧ですが、何か愛おしい気持ちを感じながら……赤ん坊はだんだんと育っていきました。
赤ちゃんはやがて大人になり……ふと自分の手を見てみると、ヨボヨボのお年寄りになっていたんです。
そこで突如、私の存在は消え、三人称視点になって家の中を俯瞰していました。
育ったあの子が家の外のドアを開けると……そこには赤ん坊がタオルに包まれ、籠の中に入っていました。
それを見た直後、場面が変わりました。まるで雲の中をかき分けるかのように。
足元には石タイルの道があり、周りは白い霧、雲に覆われていたんです。私はその道を歩いていました。
なぜかはわからないのですが、「ここは同じ場所を回っている」ということが分かっていました。
すると、前の方から赤ん坊の声が聞こえてきたんです。
赤ちゃんはベビーカーに乗せられており、私はその赤ん坊に――「とても愛おしい存在」、この言葉でも足りないほどの愛おしさを感じていました。
そのベビーカーを引きながら、私はヨーデルを口ずさみ、同じ道をまたずっと回っていたんです。
そしていつの間にか、私が引いているのはベビーカーではなく車椅子になっており、乗っているのはおばあさんでした。
おばあさんが乗った車椅子を引きながら、私がヨーデルを口ずさんでいると、また赤ちゃんの声が聞こえました。
ですが、目の前の道には霧がかかっており、私は霧の中を赤ちゃんの声を頼りに歩いたんです。
その道を抜けると、私はもう車椅子を引いておらず、おばあさんも消えていました。
だけど、その目の前にはベビーカー。そして、赤ちゃんがいました。
私はそのベビーカーをまた手に取り、ヨーデルを口ずさみながら、また道を歩く……。
そこで目を覚ましました。
僕の目には涙が出ていました。
夢で見た話 夢夢夢 @yumeyumeyume12
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