この世の中は悪魔で埋め尽くされている
ララトス
第1話 天使と悪魔
この世の中には『人間は時には悪魔となり、時には天使にもなりうる』という都合のいい言葉が存在する。だがよく考えてみて欲しい。
本当にそうか?天使?そんなものこの大地には居ない。
まずまず天使として生まれてくるのではなく。悪魔としてこの地に生まれてくるのである。ついこの間までの僕は、そんなことを考えすらしなかった。
小鳥の囀りが聞こえる。僕は、いつものように布団の中で、目を覚まし少しの時間スマホをいじる。そして、自家製のカフェオレを飲む。
毎日同じ事の繰り返し、この繰り返しこそが僕にとっての生き甲斐。
『行ってきまぁす』と小声で言うのと同時に扉が閉まる。
そんな幸せを感じ取りながら学校へ向かう途中
突如として、僕の幸せは崩れ、消え去る。
目の前に悪魔?と天使?が同時に現れる。
悪魔『おい、天使こいつが将来の?!.@&か?』
天使『そうですよ。こいつが将来の?!.@&です。』
何を言っているのかさっぱりわからない。何よりも目眩がする。吐きそうだ。仮にこいつらを本当の天使と悪魔としよう。それは、受け入れる。
ただこれまでの幸せがこいつらに奪われそうな予感がして吐きそうなのだ。
案の定その予感は的中する。
悪魔『おい人間俺たちは、これからお前に同行することになった。』
天使『この気性の荒い"モノ"もいますが私たちを今後ともよろしくお願いしますね 』
最悪だ。僕が話す前に勝手に話しは進む、そして何故かこの天使からは、圧を感じる。
何か2人で揉めているようだが、そんなの今はどうだっていい。冷静になって、聞くことがある。
『まず君たちは何者なんだい?』
他にも色々聞きたいことはあるが。物事には、順序というものがある。
悪魔『みてわからねぇか?』
天使『私たちは、見ての通りです。』
何度かこの質問をされたことがあるのだろうか、、、
2人とも手慣れたように、自分たちの口から発さずとも分かるでしょと言いたげな口ぶりを見せた。
これ以上この事について言及しても何も意味なさそうだ。
じゃあ次にだ、
『君たちの名前は何だ?』
絶対に嫌だが、もし仮に一生こいつらと生活するのであれば名前ぐらいは知っといたほうがいい。
悪・天『俺、私たちに名前はない、ないですよ。』と2人揃えて喋る。少し意外だ、悪魔といえば"ルシファー"、"サタン"だとか天使で言えば"ミカエル"、"ガブリエル"だとかそれぞれに名前がついているのだと思っていた。が2人の話を聞く限り案外そんなこともないらしい。まぁ無いなら無いでそれでいいわざわざコイツらのために名前を考えるのも面倒だしな。
じゃあ最後にもっとも大事な質問をしようと思う。
『何故僕の目の前に現れた?そして何故僕についてくる必要がある?』
2人は顔を見合わせた。どう話そうか迷っているようである。
それから少し遅くれて、天使は言う。
天使『最初の質問ですが、運です。』
は???僕は完全に思考が停止した。運だと? 何かの冗談だろ?
『はは、天使も冗談を言うんだな!、、』と僕は笑えない冗談であることを願いながらそう言ったが。
その願いは、音速よりも早く感じるスピードで、否定されれた。
天使『いえ、冗談では無く。本当の話です。』
僕は膝から崩れ落ちた。
そんな僕を横目に天使は続ける。
天使『そして二つ目の質問ですが、まだ答えられません。』
まだ答えられないだと?ふざけるな、たまったもんじゃ無い。
僕は得体も知れない通称天使と通称悪魔に拒否権もなく、まるでそれが運命であるかの如く、これから先一生ついて来られるのか?と頭中で同じことをリピートしながら考えた気がするが全ては意味ない事であると一瞬にして理解する。
付いてくる、やっぱり付いてくる、、しかもうるさい。そろそろキレようかと思っていた時。
目の前に同じ学校の制服着た人を見つける。同じクラスの花音(かのん)がやってくる。苗字は基本覚えない主義なので、正確には覚えていないが確か北条だった気がする。そんなこんなで歩いてるうちに花音の目の前の信号が赤になる。
マズイ、非常にマズイ、今の今まで人に合わなかったせいか何も気にしていなかったが。天使と悪魔がいるのである。早く隠さなくては、、、
悪魔『何をそんなにあせってるんだ?』
と悪魔だからかは分からないが僕の心の声を正確に読み取る。
『もしお前らの姿を人に見られたらどうするんだよ!!!』と僕は小声ながらも少し強めの口調で言った。悪魔は何言ってるんだ?みたいな顔でこちらを見てきたが、天使は僕の言いたい事を汲み取ったのか
天使『それなら大丈夫ですよ。私たちの姿は、私たちが認めた人にしか見えませんから。』と答えてくれた。
悪魔はそう言うことか!と今理解したようで、何か難解な問題を解いたような満足げな顔をしている。本当に呑気なやつである。
だがこれで、一安心だ。少なくとも悪魔の天使を引き連れている。やばい高校生がいると大騒ぎになることは無さそうだ。
そんなこんなで、赤信号で止まっていた。花音と合流する。
花音『秀おはよ、なんだか朝から調子悪そうだね?大丈夫?』と気弱ながらも心配の声を掛けてくれる。
『うん。全然大丈夫。』とこいつらの存在を悟られないように嘘をつく。もし仮に見えていないとしても僕の発言や行動で花音に心配をかけるのは、ごめんである。
それからは特にこれと言った事は無く。通学路を進んで行き天使と悪魔の2人?を連れて無事に学校に着くことができた。
教室に入るそこで僕と花音は、いつも別々の席へ向かう。花音は何人かの友達と話しているようであるが僕にそんな友達はいない、仮に友達と言うのであればそれこそ花音ともう1人
『おー~い!秀!おはよ‼︎』そう勇太である。
勇太とは、小さい頃からの親友である。包み隠さず言うのであれば、タイプが海王星と太陽ぐらい違うのであるが小さい頃からの縁なのかとても仲がいいと僕は思っている。勇太は、運動に勉強、そして圧倒的リーダーシップに困ってる人は絶対に見過ごせないまさに主人公のような性格をしているやつなのである。運動音痴で捻くれ者の僕とは似ても似つかぬ存在だ。正直勇太に憧れている部分がある。そんな事を思っていると突然悪魔が僕の耳元で囁く。
悪魔『アイツからは何かやばい"モノ"を感じるぜぇ』
天使『、、、』
何を言っているのかさっぱりわからない。
まずまずやばい"もの"ってなんだよ?そんな疑問を直接悪魔にぶつけてやろうとした時
キーンコーンカーンコーン、朝のチャイムが鳴る。それと同時に先生がきて、皆んな席に座り始める。まぁ所詮は悪魔の独り言だろと自分の中で軽く流し、朝のホームルームを受け始めた。
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毎週 金曜日 21:00 予定は変更される可能性があります
この世の中は悪魔で埋め尽くされている ララトス @Raritos
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