第5話 苦戦と捕縛
「"スパイダーゴブリン"転がってる石で
地面に転がる石を手首から伸ばした糸で絡め取り、そのまま幾度となくナックル目掛けて飛ばす
──がしかし、
幾度となくぶつかった石は無惨に砕け散る。
「無駄であるぞ? 知っての通り魔力を
「余裕ぶっこいてろ」
そう言うと背後に回っていた"ブラックハウンド"が噛み付こうと飛びかかる。
「──無駄である」
あたかも後頭部に目がついてるかのように完璧な奇襲もヒラリ、と躱された。
「吾輩がもっとも得意とする魔法"
「説明ごくろうなこった。俺だってまだとっておきがあるんだ、黙ってやられる訳ねぇだろ」
──幾度とない攻防。
仲魔のお陰でギリギリやられずに済んでいる状況を打破せんと。
思考を止めることなくチャンスを伺う。
ブラックハウンドの"影縫い"。
この
攻防の末に荒れ果て亀裂が入った地面。
その隙間を縫うように影を忍ばせ地中深くに巡らせ。
スパイダーゴブリンが囮となり地に目線がいかぬよう撹乱させ、誘導。
亀裂の入った地面近くにおびき寄せ、影をナックルの影に紐つける。
するとナックルは身動き一つとれなくなり、すかさず詰め寄るスパイダーゴブリン。
詰め寄る道すがら地面に落ちた丈夫そうな木の枝を糸で三本ほど引き寄せ纏める。
簡易的な棍棒を作り右手に強く握りしめると飛び上がった。
兜割りの様に縦一線に振り下ろす。
堪らずナックルは項垂れ、影縫いを解くとその場に倒れ込む。
「──勝ったぁぁぁぁぁぁ!!」
仲魔達と喜びを分かち合い、ブラックハウンドにナックルの匂いを覚えてもらうと
──ようやくの思いで見つけた
手に取ると一段落をついく。
ふと、ナックルとの戦いを思い返す。
あれは紛れのない勝利とはいえない。
濃度の濃い魔力で作られた魔力障壁。
この二つの極められた基本魔法を使う者がたかが魔力の纏っていない即席の棍棒でやられるだろうか?
それは否である……。
殴られると同時に魔力障壁を解き。
あたかもやられたフリでその場に倒れこんだのであろう、と察する。
自分の力のなさを、未熟さをしる一戦だった。
これを気に今度こそは圧倒的な勝利を手にしたいと願う。
その為にも自身の魔法を極め、仲魔達との訓練に加え。
新たな仲魔を手に入れようと決意する。
──やらねばならぬ思いを叶える為にも。
ホムンクルス 滝上 龍成 @BlackWorker
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