コンテナの陰で、私は今日もひつじを数える[追加エピソード]

@punipuni_0123

追加エピソード

その夜、私は夢を見た。

……見た瞬間に分かった。

あ、これ絶対夢だ。


校舎の裏。

給食室の脇。

いつものコンテナ。

……のはずが。


「……でっか!!?」

コンテナ、なぜか三階建てくらいある。

しかも謎にカラフル。

「給食室横」じゃなくて「テーマパーク横」みたいになっている。

「いや、予算どこから出た??」

影もある。

あるんだけど、影の形が完全にひつじ。

もこもこしてる。


「……私が数えすぎたせい?」


そこへ、用務員さん登場。

作業着は同じなのに、なぜかマントを羽織っている。


「よ、久しぶりだな」


「いや、用務員さん!?

 その格好で何を剪定するんですか!?」


用務員さん、ドヤ顔。

「影の管理だ」


「管理!?」


影がもぞもぞ動いて、ひつじが一斉に鳴く。


🐑「めぇ~~~」


「うるさっ!!」


「本日の夢はこれにて終了です」

「お忘れ物はございませんか?」


「忘れ物!?

 黒歴史のコト!!?」


コンテナがバンッと消える。

ひつじも消える。

用務員さんも消える。

最後に影だけが残って、

ぷるぷる震えながら一言。


「……まぁ、がんばれよ」


「影が喋った!!」


そこで目が覚めた。

天井。

布団。

現実。


「……みゅ~、夢??」


しばらく考える。

「コンテナ巨大化してないし」 「ひつじいないし」 「用務員さん、マント着てないし」


……よし、現実だ。

でも胸の奥は、なぜか軽い。

私は布団から起き上がって、顔を洗いながら呟く。


「次はもう少し、現実っぽい夢にしてください」


……夢にしては、上出来だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

コンテナの陰で、私は今日もひつじを数える[追加エピソード] @punipuni_0123

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る