フィンセントとエドヴァルド

ムンクの叫びみたいな顔をして

あくびしながらガムを噛む

空は夕焼け真っ赤な雲が

街は夕暮れカレーの匂い

どこからかチャイムの音がして

僕はヘヤで机に向かう

ステレオからはガールズバンドの有名なヒット曲

机に向かって頭をひねる

さてと一体昔の自分は

どうやって何考えてどんな思考回路で

書いていたんだろうかな

ゴッホのような悩みを抱え

再びあくびを噛みしめる

空は晴れてて太陽は沈む街の丘の上は星

どこまでも行けると勘違いした

中学生がチャリンコのベルを鳴らす

机の上には書きかけのルーズリーフノート

机に向かって口尖らせた

ナンダいい考えうかんだのにもう夏の朝の霧みたいに消えた

昔の自分を超えることはできるのか?

もうわからない成長期の終わった動物

昔の自分と比べると

衰えが見え始めた腹もでてきた

それに気づいた昔の少年

ムンクの叫びみたいな顔をして

独り机に向かって苦笑いする

街は夕暮れカレーの匂い

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兵庫の森の中から【詩集】 槇本大将 @makimotodaisuke

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