刑事が取り調べを受けている。
彼の気にかかっているのは、ひとりの青年のこと。
名は晴(はる)。天使の輪が浮かぶ美しい髪、澄んだ瞳。魅力的な笑み。
彼こそは──。
うーむ、この感想をどう言葉にしたものか……。
決して明るいお話ではありません。けれども、読後感はそれほど悪くないのです。
主人公の心情のおかげでしょうか。
主人公はこの結果に飛び込まずにいられなかったし、青年もまた、このようにしか生きられなかった。
根本にあるのはなんとも切ない物語ですが、やはりどこか清々しさがあります。
なんだかぼうっとしていますが、ちゃんと読める言葉が並んでいるでしょうか……(笑)
この不思議な心地よさのある読後感、ぜひ味わってみてくださいませ……!
どんなお話なのかは読んでもらうしかないのだが、読んだ後、タイトルの意味を考える。
晴天の罪人は二人いる。
そしてどちらの罪びとも、その心は、青く美しい空に似る。
余人の立ち入ることを許さない関係性は外界の決めた善悪を超えて、冬空のように寒々しくも、ただ青い。
人に刃を渡す者の笑顔は、幼子のようにあどけない。後光さす神のように彼の罪を赦してくれる。
――君のその笑顔を護るためならば、どんなことにも耐えてみせよう。
オム・ファタールに魅入られた男の愚かしさは、愚かすぎるがゆえに、鋼の強さでこの世界に振り下ろされた。
牢獄の中でいつかその夢から覚めるのか、それとも死ぬまで夢の余韻に浸るのか。
地上の罪人たちを知らぬげに、空は今日も青く澄んでいる。
自分だったら、どうしただろう?
これを読んだときに思わずそう思ってしまいましたな。
いくら、親友当然の男の子の悩みとはいえ、自分が警察官だとしたら、
自分だったら、一体どうしただろう?
取調室です。
取り調べを受けているのは、犯人……いや、元、刑事です。
罪状は明らかではありませんがおそらく……殺人です。
取り調べをしているのは、元彼の先輩と、元彼の後輩。
特に後輩の方は、今回の事件のことが非常に納得がいっておらず、イラついておられます。
一体何があったのか?
出会いは、夜中の九時に、主人公である元警官が、公園で男の子を見かけたことでした。
話を聞くと、お母さんが浮気相手といいことをしているから、帰ってくるなとのことで……
それで、一緒に、この少年の家まで行ったんです。それが出会いでした。
少年の名前は晴。
晴はそれ以来、駐在にまでくるようになり、主人公とは友人関係に。
そして主人公が刑事に昇格した時も、お祝いをしてくれました。
年齢は離れている。兄弟でも家族でも、親戚でもない。
それでも彼らは友人でした。
晴はやがて、俳優を志します。そこで、アクシデントが起きてしまいました。
……
そして、この主人公が、刑事でありながら悪事に手を出さないとならなくなったわけですが……。
ここから先は、本編をご確認ください。
非常に重たい話です。
そして、何度も言うようですが、
その場にいたのが、自分だったら、一体どんな選択をしただろう?
そして、
その場にいたのが、
あなたなら、どうしますか?
お勧めいたします。
ご一読を。