結局

 由那の声に一瞬ビクッとした由那彼。

 

 あーあ、面白いところだったのになぁ。

 

 

「ねぇ、二人とも?これはどういうこと?」

「え〜?ただのお隣さんだよ?」

「里香、知ってたの?りょうちゃんのこと」

「え、うん。」

「で、りょうちゃんは、二股してたの?」

 

 由那が彼氏に問い詰めると、彼氏はどうやら開き直ったみたいね。

 

「あー、オレさ正直…もう由那のこと好きじゃない。てか、オレ里香ちゃんのこと好きになっちゃったから別れよう」

 って、堂々宣言していたわ。

 

 …

 

 由那は、黙ったままだった。

 

 あたしは、腕を組んで仁王立ちしてジッと由那彼をみたの。

 

 そしたら、由那彼が

「里香ちゃん、オレちゃんと由那に別れ告げたから、だからオレと付き合おう」

 って、あたしに近づいてきたの。

 

 

 だから、あたしは両手を広げたわ。

 

 そこに飛び込んでこようとするりょうちゃん♡

 

 だから、思いっきり両手で突き飛ばしてやったの♡

 

「いってー…なにすんだよ⁉︎」

「あーら、ごめんなさぁい。変態が近づいてきたから、つい。」

「変態ってなんだよ?オレのこと好きなんじゃないのかよ⁉︎なんで部屋にあげたり、飯つくってくれたりしたんだよ?」

「え…里香…それ、ほんとうなの?」

「うん。」

「なんでそんな…」

「だって、由那ってそこまでしないとわからないでしょ?」

「里香…もしかして気づいてた…の?」

「なにをだよ⁉︎二人で話すなよ。オレをそっちのけすんなよ⁉︎」

「黙れよ‼︎クソ男‼︎」

 

「ク…クソ?えっ、里香ちゃ…」

「やめろ‼︎ちゃん付けで呼ぶなよ。気持ち悪い」

 

 …

 

「えっ…」

「だいたいさぁ、あんた部屋に女とっかえひっかえでさ、たまに女に怒鳴ってたりしてたじゃん。あたし、隣だから丸聞こえだったんだわ。だから、由那とさっさと別れて欲しかったんだよねぇ。それだけ‼︎だから、あんたなんか好きになるわけない‼︎」

「バカ‼︎里香…わたしのために、そんな危ないこと…」

「大丈夫。あたしは、合気道習ってたんだからさ♡」

「でも…わたしのために…そんな部屋にまであげてさ…」

「急いでたんだよね。あんたは、すぐ流されるでしょ?だから、さっさと引き離さないと手遅れになる可能性だってあったからさ」

「里香…」

 

 

 …

 

「はぁ?クッソつまんねー‼︎アホくせーからオレは帰る」

「あぁ、一生クッソつまんねー人生でも送ってろよ」

 

 あたしの言葉に、ペッとツバをはいて立ち去っていった。

 

 最後までクズだわ。

 

「里香、今日うちに泊まってよ」

「え、大丈夫だよ」

「ううん。あんなのが隣人なんて危ないよ。それに、もう里香に迷惑かけたくない。ごめんね、男みる目がなくて…」

「そこは、お互いさまだよ。あたしだって、変な男にひっかかるかもだし?そしたら、早めに救ってね?その男、どうなの?ってさ。まぁ、いい人だってたくさんいるから、運命の人に出会えるまでは、のんだくれよう‼︎」

「おう‼︎」

 

 

 こうして、無事親友が救われましたとさ♡

 

 

 

「てか、なんで後つけてきたの?」

 ってあとで由那に聞いてみたら、ピンときたんだって。

 

 いつも里香は、あたしっていうのにわたしって言ってたから、怪しいってさ。

 

 そういうところは、鋭いんだよねぇ。

 

 

 そのレーダーをあたし以外の男にも活用してもらいたいもんだわ。

 

 

 で、その後由那は合気道を習い出したとさ。

 

 そして、あたしもまた合気道を始めたの。

 

 どんどん強くなっちゃうな♡

 

 

 

 

 

 おしまい。

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親友の彼氏を奪って… 猫の集会 @2066-

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