土地神となる幻想ロボ

夢月 愁

「土地神となる幻想ロボ」



 暖かい陽気が日常の島、エルトナ

 人々は明るく平和に暮らしている


 僕はここではメカニック

 工房で機械をいじる職業だ


 ある時、僕は夢の中で閃いた

 人型のロボットを作成する方法を


 僕は夢で見た幻想のままにロボを作る

 それは大きな白い騎士に仕上がった


 この平和なエルトナは武力などいらないけど

 この白い騎士は労働面で役に立った


 家を作るのに重い資材を運んだり

 船への荷運びなどもこなした


 エルトナの人々はこの大きな白い騎士に親しみを込めて名をつけた。


「島の守護神『エルトナー』と」


 エルトナーには心がありしゃべることもできた

 彼は元々は神の御使いなのだという


 ある日、エルトナー欲しさに海賊が来る

 エルトナーは動かず抵抗せずに船に乗った


 海賊たちが意気揚々とエルトナーを積み沖に出る

 だがその船は突如巨大な白蛇によって沈められる


 白蛇は島の皆の所に来て頭を下げる

 この白蛇こそエルトナーの本当の姿だった


 「これが私の本当の姿、私はここの土地神になろう」


 そういってエルトナーは海岸で白い蛇の石像になる

 エルトナーはこの島を見守る土地神になったのだ


 それからは、雨乞いせずとも雨が降り

 作物は丈夫に育ち毎年豊作となった


 海賊たちもなりを潜めてこなくなり

 島の人々はこれを土地神の恩恵と談じた


 僕たち島の人々は、白蛇の石像になったエルトナーに祈った

 この豊穣と平和が破れることなく続きますようにと…







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