未整理のメモ

@mikannocake

正宗白鳥とヴァイオリン

正宗白鳥は大正12年の5月にクライスラーの演奏を聴いたらしい。


引用

☆五月の末であった。

☆私はクライスラーをも聴いた。

☆暇つぶしにしてもクライスラーのヴァイオリンは私に取っては実に退屈なものであった。


この時、正宗白鳥が聴いたヴァイオリンの曲名は何だったか。当日のプログラムは見つからなかったが、他の日のプログラムは発見された。以下参照。


・ブラームス:ヴァイオリンソナタ ト短調 Op.78(Brahms — Violin Sonata in G major / Op.78)

・ヴィオッティ:ヴァイオリン協奏曲 第2番 イ短調(Viotti — Concerto No.2 in A minor)

・Porpora — Kreisler(ポルポラ/クライスラー編曲)(Porpora-Kreisler と表記) — クライスラーが編曲・演奏した曲。

・Schubert — Kreisler(シューベルト/クライスラー編曲)(Schubert-Kreisler と表記) — 同上

・Rimsky-Korsakoff(リムスキー=コルサコフ)作品(曲名は明記されているがプログラムの要約では作曲家名のみ表記)

・Kreisler(クライスラー自作小品)(自作/編曲小品群。たとえば「愛の喜び」「愛の悲しみ」「ウィーン奇想曲」「中国の太鼓」などは彼の定番で、他日の演目やアンコールで演奏された記録あり)

・Smetana(スメタナ)作品(同上)。

・ピアノ伴奏:Michael Raucheisen(マイケル・ラウケンゼン/綴りは資料によって Racheisen / Raucheisen など揺れあり)


https://www.schubertiademusic.com/products/4044-needs-images-kreisler-fritz-1875-1962-rare-decorative-japanese-program


5月14〜15日のプログラム

https://aoyamasyuhou.hatenablog.jp/entry/2021/04/04/163103


余談だが、志賀直哉も14日と15日に、京都の岡崎公会堂でクライスラーを聴いたと日記に書いている。「京都音楽史」には当日の演目が記録されているそうだ。


https://www.city.abiko.chiba.jp/event/kanko/kankojoho/abitu-number.files/abitu-03.pdf?utm_source=chatgpt.com


参考

・正宗白鳥全集第十巻(新潮社)p142〜146

『初夏の頃』ーー大正12年6月17日、「週刊朝日(第三巻第二十七号」に発表

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