赤のとき

みぃ

RED







木々の隙間を縫うひかりが


朝の霧に ひっそり滲む


​南天の 凍てつく赤い実が


微かに 日のひかりを抱く


​昨夜のパトロールを終えた


となりの仔犬が あくびをする


​換気をしようと


躊躇いなく 窓を開ける


​静寂を破り 透明な冷風が


呼吸の奥まで 緊迫を連れてくる


​ねぼけまなこの キミの寝息が


戸惑う風に 立ちあがる


​頬は 仄かに熱を帯びて色づき


真冬の真っ赤なレザーのソファに


ゆっくりと その重みをあずける


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赤のとき みぃ @miwa-masa

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