秋の夜(彼女視点)
重い瞼を開けると、日差しの眩しさに私はとっさにまた目を閉じてしまった。
昨夜は珍しく遅くまで飲んでしまったのだ。じわじわと痛むこめかみを抑えながら少し飲みすぎたかと後悔が湧いてくる。すぐさま、嬉しいことがあったのだ、たまにはこんな日があってもいいと思い直し、勢いをつけ気だるい体をベッドから滑らせ寝室をでた。
ひんやりとした寝室のドアノブを回し、足早に廊下へ出たところでリビングに立っている彼の後ろ姿が見えた。
「僕たち別れよう」
振り返った彼の言葉は私の頭に鋭く響き、わずかに残っていた酔いを吹き飛ばした。
「……意味わかんない。昨日も一緒にお祝いしたじゃん、どうしたの?」私の問いに彼は何も答えない。
「宣言するけど、私は別れてなんかあげないから。暑くても寒くても苦くても酸っぱくても絶対に一緒に共有してやるんだから!」
一方的に宣言した後の彼の呆然とした顔は見たことない表情で、これからやってくる嫌いな寒さの中に、ひとつ差し込む光を見つけたようなそんな気がした。
秋の空、秋の夜 @yasai258
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