現実から、架空の世界へ。穏やかな旅の書。
- ★★★ Excellent!!!
まるで、それこそ夢を見ているかのような作品でございました。
まず構図が、ノンフィクションから始まり、それが半分フィクション。そして、夢。
最後はカエルになってしまうという。
ページを読み進めていくたびに現実から架空(フィクション)の世界にゆったりと誘われるのが心地よい。
最初の話は、これは私の想像ですが、免許を取り立ての少年が、父親の車を運転するという物語。早朝。この二人は、朝日を見にいくのだそうです。
二話目は、『水族館で働きたかった人』の話つまり将来の夢でしょうか。。ここには、彼の父親が出て参ります。
つまり、絶妙に、一話(父の話)と、三話(夢)と、架け橋になっておるのでございますな。
三話目が特に印象的にございました。
それこそ、夢十夜を見ている時のような不思議さと、切なさがこもっておりました。
現実からだんだんと、非日常の世界に溶け込んでゆく感覚は心地よいことです。
ぜひ、ご一読を。