行動開始!
それからお城は大騒ぎになった。
人間に化けていた魔物がいたからだ。
皇帝は金貨100枚で小型結界の魔導具を5つ購入して、各入口に設置した。
これも皇帝の好感度を上げる事に作用した。
「さて、詳しい説明をお願いできますよね?皇帝陛下?それにルリちゃんも」
シオンは怒ってはいなかったが、不信感はあった。
「シオンちゃん、黙っていて本当にごめんなさい。言い訳になるけど、魔物が人間に化けている者がいる事は事前にわかっていたわ。でも、誰が化けているかわからなかったの」
「帝国でも結界を張れる者はいるでしょう?どうしてそうしなかったのですか?」
ルリは深いため息を付いてジークに言った。
「ジーク君、シオンちゃんと旅をしていてマヒしてない?元々、結界張れる魔術師は少ないわ。しかもずっと張って置くことはできないでしょ?だから魔導具を使って結界を展開するのだけど、シオンちゃんほどの小型の結界魔導具は、帝国にはなかったのよ。作れるけど、膨大なお金と時間が掛かって、大型の馬車ぐらいの大きさになるから、街や村全体を覆う展開になるの。流石に建物の入口にのみ発生させて使うことは出来なかったのよ。それにその手の利用は、教会の魔物避けの結晶を使った方が効率が良いしね」
なるほどね。
確かにシオンと一緒にいて感覚がおかしくなっていたようだ。
「教会の魔物避けは強力な魔物には効かないですからね。それほどの魔物が人の意思で動いているとなると危険ですね」
「そうなのよ!だからシオンちゃん達には早く来て欲しかったの。でも小型の結界装置は嬉しい誤算だったわ。本当にありがとう」
シオンはそれでも釘を差した。
「事情はわかりました。でも、せめて事前に説明してください。勝手に利用されるのは気分がいいものではありませんし、勝手に小型魔導具の分解と技術流用は認めませんので」
うぐっとルリちゃんは言葉に詰まった。
「そ、それは………」
研究者気質のルリちゃんにはツライことだろうね。
お金儲けや技術盗用よりも純粋に研究者として調べたいと思うけど、これ以上帝国の技術の占有が進むのは良いことじゃないから、これ以上は譲れないかな?
「小型化の技術ぐらいなら少し教えるけど、結界の根幹に当たる技術は渡さないわ。無理矢理分解すれば部品が爆発して壊れるようにしてあるからね」
!?
「そ、そんな技術まで持っているの!それはそれで凄いわね!?」
なんか別の所で驚かれた。
まぁ、爆発って言っても、無理矢理心臓部分の箱を開けるとショートする程度なんだけどね。
「はぁ~わかったわよ。本当にごめんなさい」
「さて、今後の行動について話しましょうか」
手をパンッと叩いて話を区切った。
「まず、化けていた貴族の家に行ってもらいたい。本物の家族がどうなったか確認したい。我々の騎士団を派遣してもいいが、あのような魔物が待ち構えていいる可能性があると被害が大きくでそうだからな」
「こちらも今、戦力を減らす訳にはいかないの。強力な魔物に敵わなくても、人同士の戦いには人数が必要だから」
確かにね。
「私が案内するわ。魔物が化けていた本人は死んでいるのか、協力者なのか確認しないといけないしね」
ルリちゃんが付いてきてくれるようだ。
「シオン殿、不快な思いさせて申し訳ない」
皇帝さんが頭を下げた。
「情けないと思うが、オレにも大切な者がいる。その者達を守るために力を貸して欲しい。もう2度と騙すような事はしないと誓う!この通りだ」
シオンは仲間達を見てから言った。
「私も大切な仲間達がいます。その仲間が危険に晒されたら黙っていられません。今回だけは不問としますが、次は無いと思ってくださいね」
「………肝に銘じておく。そして感謝する!」
ルリちゃんの案内で移動することになった。
「それじゃ行ってきます!」
城を出ると帝国が用意した馬車を辞退して、シオン達の馬車で向かうことになりました。
「なるほど。宰相のお爺さんが絶賛する訳だわ。これは快適ね。荷物を乗せる帆馬車が、普通の人を乗せる馬車より快適なんて」
ルリちゃんも低反発もどきのスライムマットを気に入ったようだ。
「部屋のソファに敷くのもいいし、座布団やクッションにしても良さそうね。これいくらで売っているの?」
宰相に話したことを言ったらルリちゃんも当然よ!と怒った。
「シオンちゃん!よく聞いて!商品には適正価格って物があるの。良いものを安く売られたら同業者は廃業せざるおえないわ。同業者を救う為にも値上げしなさい!」
「は、はい………」
これでもボッタクってると思っていたのになぁ~
『シオンは基本的に善良だから、高くしたと思っても十分に安いんだよ』
※いえ、前世の記憶に引きづられているだけです。
ジークやヒジリ好感度が上がり、2人は生暖かい目でシオンを見るのだった。
次の更新予定
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