第3話 社員も全てAIに換えたら取締役会で首になりました
それから一年が経った。Y工業の業績は絶好調だった。
俺は二億円の年俸をもらって喜んでいたが、考えたら業績は倍になったのだからもっと年俸をもらっても良いのではないかと思い出したのだ。
取締役会で俺は提案しようと思った。
取締役会は大半の事業部長をリストラしたので、大株主のファンドから迎えた取締役が大半だった。
「ではこれより定例の取締役会を始めたいと思います」
議長の俺が話し出した。
俺は前に二億円を提案してくれた外資系の日本事業部長を見た。彼には前もってその話をしていて賛同を取り付けていたのだ。彼が俺の年房アップを提案してくれるはずだった。
「意見があります」
彼が立ち上がってくれた。
「このY企業は素晴らしい業績を出しているのは皆様ご存じの通りです。それもこれも大半の仕事を我が社の提携しているコンサル企業のAIが行っていることは皆様ご存じの通りです」
おいおい話がなんか変な方向に行っていないか?
俺は少し不安になってきた。
「そのコンサル企業から実は提案があったのです。山田社長の代わりにAIが社長をやれば今の業績が更に倍増すると。山田社長はよくやってくれていますが、しょせん人間のやることには限界があり、AIの方が全てに的確に判断ができて、もし昨年AIが社長だったらY工業の業績は今の倍になっていたという分析結果が上がって来ました」
「な、何だと、何を言いやがるんだ! この会社をここまで大きくしてきたのは俺だぞ。何を勝手な事を言ってくれるんだ」
俺はそう叫ぶとその事業部長を睨み付けた。
「その分析結果が正しいならわが社も提案者に賛成します」
他のファンドの取締役も賛成してくれた。
「な、なんだと!」
「わが社もです」
「おいちょっと、待て!」
「企業は利益が出てなんぼですからな」
「いや、そんな」
俺がいくら叫ぼうが、反対しようが、もうどうしようもなかった。
俺は俺の藩兵だった取締役達を首にしたのは間違いだったと今ごろ気づいた。でももう遅かったのだ。
あっという間に解任決議が議決されてしまった。
「そ、そんな、俺の心血注いだY工業がAIに乗っ取られるなんて」
俺には信じられなかった。
俺は誰もいなくなった会議室にただ立ち尽くしていたのだった。
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ここまで読んでいただいて有難うございます。
AIに乗っ取られる第三弾いかがでしたか?
今アメリカでは急速に社員がAIに取って代わられつつあります。
日本も決して対岸の火事ではありません。
私も含めて皆さんの首もいつまで保つか……
AIを喜んで使っていたら勝手に教育していることになって、自分の能力を全てAIに奪われてしまったではしゃれにならないんですが……
社長は勝手に首になれば良いですが、首になった社員の次の行き先は果たしてあるんでしょうか?
AIに取って代わられる第一弾
『AIに乗っ取られた男』
https://kakuyomu.jp/works/822139840536085490
第二弾の『AIに乗っ取られた作家』
https://kakuyomu.jp/works/822139840595972053
もよろしくお願いします
カクヨムコンテスト11参戦
こちらは読んでいて楽しい話です。
『銀河帝国から脅されたので、逆襲することにしました! 跳ねっ返り王女は帝国の大臣だろうが女帝だろうが関係ありません』
https://kakuyomu.jp/works/822139837793155217
『モブですらない小さい聖女に転生したので、小説の世界を堪能しようとしたら、何故かヒロインになっていました』
https://kakuyomu.jp/works/822139836362312354
もよろしくお願いします
AIに乗っ取られた社長 古里@3巻発売『王子に婚約破棄されたので @furusato6
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