路上占い、あれこれ98【占い師は驚愕する】

崔 梨遙(再)

食後のデザート 443文字 です。

 僕が夜のミナミの路上で占いをしていた頃のお話です。



 独りの地味な女性が目の前に座りました。


『あの・・・・・・』


 長かったです。時計を見たら、2時間が経っていました。そして、何件も占わされました。僕はヘロヘロでした。おぼえていたのは、恋愛運を占った時に、


『男性有利、女性の場合、ライバルがいるでしょう』


と、僕が言った、そのくらいでした。


『お代、払っておきますね。2時間やから、6千円でいいですか?』

『いいですよ』

『ありがとうございました-!』


 疲れましたが、その女性客が笑顔になれたので良かったと思うようにしました。



 ところが、その女性がまた走って来るのです。


『どうしました?』

『大変なんです』

『何が起きたんですか?』

『向こうに、めっちゃイケメンの占い師さんがいるねん』

『はあ、それで』

『あっちのイケメン占い師さんにお金を使いたいから、さっき渡した6千円を返してちょうだい』

『え!?(絶句)』



 いただいていた6千円は返しました。その理由で返金しないといけないんですか? 僕にとっては驚愕の事件でした。



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路上占い、あれこれ98【占い師は驚愕する】 崔 梨遙(再) @sairiyousai

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