3話~クラウディアの依頼~
キャラクター名鑑
クラウディア
派手めな傭兵の女。
その実力は未知数だが、色気と女を使った駆け引きが得意。
―――――――
その晩、クレイはその酒場の2階で泊まる事にした。
クラウディアはクレイと共にその酒場に部屋を取るが、
クレイと共に一夜を過ごした。
話の流れで、クラウディアの仕事を手伝う事となった。
どうやらクラウディアの目的は最初からクレイの腕が欲しかったようである。
願いを聞いてもらうために、自分の体まで差し出す──その策略に、クレイは冷めた目を向ける。
金が欲しいのなら、彼はいくらでも稼げる。
だからクラウディアの誘いに乗った。
ここまでして頼みたい依頼がどういったものなのか少し興味があったのだ。
翌朝、クレイは酒場の1階でクラウディアの話を詳しく聞く事にした。
* * *
「敵討ち?」
翌朝、クレイは朝食を取りながらクラウディアの依頼を聞き返す。
「ええ。私は元々旅芸人だったの。戦争孤児で、座長に拾われたのよ。
けれどその座長を殺した貴族を――」
クラウディアは声を震わせた。
「――殺したいの」
クレイは一口かじり、無造作に答える。
「くだらんな……」
戦争孤児も親を失うことも、戦がある国では珍しくない。
誰にも救われずそのまま餓死をするケースの方が多い。
むしろ、1人で生きられるまで育ってから親を失ったのなら運が良いとも言える。
クレイは冷淡にそう考えたのだ。
「くだらないって……座長はただの養い親じゃない。
舞台も、生き方も教えてくれた。 恩人なの……」
クラウディアの瞳には確かな悲しみが灯る。
派手な服装は踊り子の商売道具だが、性格は思いのほか感傷的らしい。
クレイは内心、面倒くさい女だと評した。
「その恩人はお前に仇を討ってもらうために踊りを教えたわけじゃあるまい。
貴族殺しなどしたら、下手すればお前にも懸賞金が掛かるぞ。」
この程度の事に自分の体を売ってまでクレイに助けを求める。
クレイはさらに冷めた感情を抱く。
食事を終えるとクレイは立ち上がり店を出ようとする。
「待って! 貴族相手だから怖いのかしら?」
その言葉は傭兵を知らない者の浅はかな発言だ。
多国を旅する傭兵に貴族も王も関係ない。
敵になれば斬り捨てる。 味方になれば守る。
ただそれだけだ――
しかし、抱くだけ抱いてしまったのも事実だ。
クレイは一度深いため息を付くとクラウディアを振り向く。
「貴族の名を聞こう。」
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Blue Murderer~青の傭兵~ なぎゃなぎ @nagyanagi
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