路上占い、あれこれ89【占い師はロリコンと】

崔 梨遙(再)

インパクトの無い1252文字です。

 僕が夜のミナミで路上占いをしていた頃の話です。



 目の前に、若く見える30代なのか? 老けて見える20代なのか? よくわからない男が目の前に座った。


『今日は、何を?』

『あの・・・今まで誰にも話したことが無いんですけど』

『はい、なんでしょう?』

『俺、ロリコンなんです!』

『すみません、僕ではお役に立てないと思います』

『いやいや、そんなこと言わないでくださいよ』

『どのくらいロリコンなんですか?』

『かなりのロリコンです』

『高校生は?』

『うーん、ちょっとオバチャンかな?』

『中学生は?』

『うーん、萌え萌え、萌えますね-!』

『中3』

『萌え-!』

『中2』

『萌え萌え-!』

『中1』

『萌え萌え萌え-!』

『すみません、もう帰っていただけませんか?』

『いやいや、見捨てないでくださいよ』

『小6』

『ああ・・・いい響ですね』

『小5』

『天使ですね』

『小4』

『神様ですね』

『すみません、もう帰ってください』

『ちょっとー! 相談に乗ってくださいよ』

『あなたは何を占いに来たんですか?』

『僕が中学生と付き合えるか?』

『もう、やめましょう。占う意味がないですよ。中学生はダメですよ』

『そこをなんとか』

『今まで、どんな女性と付き合ってたんですか?』

『俺、まだ女性と付き合ったことが無いんです。童貞です』

『・・・ちょっと待ってくださいね』

『はあ』

『電話します。・・・・・・あ、美和子? もう彼氏できた? まだ? ほな、ちょっと付き合ってあげてほしい男性がいるから、ここに来てくれへん? うん、今。場所はわかってるやろ? うん、お願いね、待ってるわ』

『俺はどうしたらいいんですか?』

『30分か40分くらい待ってください』


『崔さーん』

『おお、美和子、久しぶり』

『付き合ってほしい男はこの人?』

『うん、磨けば光ると思うで』

『ほんまやぁ、髪の毛とか服装とか変えたら、まあまあええ男になるんとちゃう?』

『美和子(内緒話)』

『何?』

『この人、ロリコンの童貞やねん。助けてあげてくれる?』

『この人やったら、ええよ。任せといて』

『後は任せる。どう付き合おうと自由や。よろしく』

『あの、俺は?』

『この女性、美和子ちゃんを見てどう思いますか?』

『僕の理想なんですけど』

『年齢、当ててください』

『中学生? 高校生?』

『美和子、年齢を言ってあげて』

『私、23歳やで』

『えー!?』

『私、身長149センチの童顔、細身やから幼く見られるねん。一応、OLやで』

『美和子、ほな、食事でも行って来たら? 後は美和子次第や』

『俺、こんなかわいい娘(こ)と食事に行っていいんですか?』

『はい、いってらっしゃい』



 翌日、男が挨拶に来た。


『俺、美和子ちゃんと付き合うことになりました。ありがとうございました』


 実は、美和子は気が合えばすぐにHする癖のある女の子だった。彼氏がいても、相手を気に入ったら平気で結ばれる。この男性に、美和子の相手がつとまるのだろうか? わからないけれど、真面目に付き合うことになったのなら、男にとっても美和子にとってもいいことだろう。


『俺、もう童貞じゃないですからね!』



 ・・・やっぱり。




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路上占い、あれこれ89【占い師はロリコンと】 崔 梨遙(再) @sairiyousai

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