家族はできたときから、日常生活をともにします。親と子。日常生活をともにするからこそ、常に同じ方向を見ている、進んでいると、信じやすい。でも親も子も、実は時間の経過とともに、微妙にずれていくのです。それは子の成長であったり、微妙な家庭内でのバランスの変化であったり、親の老いであったり。ラストシーン。タバコ臭いその父の傍らに立ち、そっと肩をたたいて寄り添いたい。そんな切ない気持ちを味わえる作品。感謝です。
娘の心に、東京の風がそっと吹き込む。地元の芝で、汗と笑顔を重ねてきた少女は、もう一歩、遠くの空へ足を踏み出そうとする。落ちても、受かっても、彼女のボールは転がり続ける。柔らかな光の下で、少女の影が長く伸びる。父はただ、その先を、温かく見守るだけ。この物語は、そんなささやかな別れと、大きな夢の予感を、優しい余韻で包んでくれる。
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