【離人症】私と感情

葉月

私にとっての感情

日常においてほんの少しだけ素敵だと思えるような、そんな些細な感情こそを大切に、生きてください。



私は昔から、感受性豊かな人間でした。

感情が、浮いたり、沈んだり。

人一倍の喜びを感じ、人一倍の悲しみを感じていました。

アイデンティティと言ってもいいでしょう。

それがある日、ぱたりと、何の音もしなくなったのです。

理由は、なんとなくですが、想像ができていました。

きっと、休む間もなく、感情が動きすぎたのでしょう。

疲れてしまったのでしょう。

麻痺してしまったのでしょう。


時に脅威的なまでに鬱陶しい感情でしたが、失くした後に、とても大切なものだったことに気づいたのです。

失なった後に気づくなんて、皮肉ですが。



それでも、一度失ったからこそ、気づけたこと。


どれだけ小さな心の動きで、どれだけ鬱陶しい感情ですら、自分が自分でいるための、大切なものだったのだから。




私が、私でいられますように。

あなたが、あなたでいられますように。

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