愛の檻
椿 桜
第1話
ねぇ、私の事好き?
ちょっとー、今の『間』
なに?
何で即答出来なかったの?
他に好きな女でも居るの?
必死に否定する所が、更に怪しいな~
正直に言ってみて?
怒らないからさ
あ、今
⋱
視線逸らしたの何で?
そっか。そうなんだね。
うん、大丈夫。
何も言わなくても分かってるから。
顔…ひきつってるよ?
もう
|
逃がさない
耳抑えちゃって可愛いね。
耳囁き程度でたじろぐなんて
ほんと
・
・
・
うぶなんだから
どうしたの?窓の外指さして。
ん?
何か衝撃的なものでも目にした?
「学校を囲むように棒が生えてきてる」
って?
もしかして、『檻』のような棒かな?
血相変えて何処に行くの?
逃げ場なんてないのにさ。
一緒に、ここに居ようよ…ね?
あー、もう見えない距離になっちゃったな。
声届いてなさそう。
ま、ここから楽しくなっていくんだけどね。
アハハハハハハハハハハ
∬
∬
∬
おかえり。
どうだった?出れそうな所はあった?
そっか、それは残念だったね。
二人だけのこの世界
不満?
何が不満なの?——教えて?
怖い?私が?
私は、ただ貴方の事が好きなだけだよ?
それ、伝わってる?
ねぇ、どうなの?
答えて…ね?
また、逃げようとしてる?
でも、残念。
次は、ちゃんと握ってるから。
貴方の
・
手
・
首
・
を
・
ね
?
離してって頼まれても離さないよ。
痛い?
何で痛いのか分かる?
私の…
『愛』を拒むからだよ。
私の事を好きだって。
誰よりも大切にするって。
言ってくれたじゃん。
私は忘れてないよ?
もしかして⋇⋇⋇嘘…ついてたの?
嘘じゃないって言うんだ。
なら、証明してよ!
今すぐに!!
落ち着け?
何言ってるの
私は、ずっと落ち着いてるよ?
私じゃなくて、貴方が変なんだよ。
そう
貴方が
変なんだよ
変になったのなら、元通りにしなくちゃ…
ごめんね
彼女なのに気づくのが遅くなって。
だから、もう安心して?
身も心も私に委ねてくれたらいいよ。
そうそう、意志なんか持たなくていい。
力を抜いて、、、
そのまま…堕ちたらいい。
私という存在に堕落して。
後少し。
‖
‖
‖
あぁーーーーーーーー、失敗した。
何で抗うの?
後少しで、私だけの存在になったのに。
許さない
許さない
許さない
もう、私だけのものにならないなら要らない…
要らない
要らない
要らない
そんなに抵抗したらさ…手首折っちゃうよ?
女子の私には無理だと思ってる?
ふふ…ふふふ…
まだ気づいてないんだ?
もう、この空間は普通の空間じゃないんだよ?
私が望めば思い通りになる。
だからね、貴方の手首を折れるぐらいの力が欲しいと望めば…
分かった?
非現実的?それは、フィクションの中だけの話?
酷いなー
『愛の力』だよ?
愛があれば何でもできる。
この言葉聞いたことあるでしょ?
事実だったんだよ。
『愛』って良いよね?
貴方も、そう思わない?
って気絶しちゃってるし。
好きだよ。誰よりも。
貴方の事を思ってる。
この唇も、手も、、、何もかも全て私のもの。
要らないって言ってごめんね?
冗談だから。
ずっと撫でていたい、この頬を。
∬
∬
∬
気が付いたの?
おはよう。
よく眠れた?
気を失ってる間に、変なことしてないか?
私、そんなに信用無いんだな~
頬を撫でてただけだよ。
それ以上の行為は、してないよ。
も・し・か・し・て
期待してた?
もう…そんな化け物を見る目で見ないでよ。
幾ら私でも傷つくよ?
それで、気持ちは変わった?
変わんない…か。
分かった。
解放してあげる。
好きな所に行っていいよ?
さよなら、、、私が唯一愛した『貴方』
元気でね。
私は、一生忘れないから——
∬
∬
∬
あれ?解放してあげたのに戻ってきたの?
何で?
⫶
「やり直せないか?」
それが、貴方が出した答え?
待ってた。その言葉。
貴方にふさわしいのは『私』
やっと、その事に気付いてくれたんだね。
嬉しい。
録音…しといたからね?
私が言わせたわけじゃない。
貴方が、自ら言ったんだからね。
それは、理解…しといてよ?
うん、ちゃんと理解してるんだね。
え?抱きしめたい?
貴方から誘うなんて…初めてじゃない?
いつも、恥ずかしいからって嫌がるのに。
温かい。
この温もりがずっと続けば
…のたし何…っ↩
…い痛
…てしうど
…いさだくてめ辞
…すましい願お
∬
∬
∬
彼女は死んだ。
誰の手でか。
気付いてるんだろ。
自分の行為から目を背けるな。
俺は、貴方であり。
貴方は、俺なのだから。
やったな。自由を手に入れたんだ。
自由になったぞ!!
…なカバ↩
…ずはたし殺にか確
…るいてき生で何
∬
∬
∬
私は、ちゃんと言ったよね?
この空間は『私の思い通り』だって。
大丈夫。
貴方が、私を刺した行動も『愛』します。
何をしても、無駄なんだから
うふふふ…
さて、そろそろこの狭い空間も必要なくなってきたわね。
よそ見してちゃ…
⋱
ダメだよ?
やっと見つけた。
彼を通じて『貴方』という存在を。
彼は『貴方』
『貴方』は彼
写し鏡のようなもの。
気付いてた?
私はね、彼を通して『貴方』を見てた。
最初からずっと。
ありがとう。
私の掌の上で、踊ってくれて。
第四の壁?
あー、そう捉えてしまうのも無理はないね。
じゃあ、『貴方』に聞くね。
『貴方』は、今どっちに居る?
私が目の前に居るでしょ?
つまり、、、?
そういう事。
やっと、気付いてくれた?
ずっと、目の前に居たのに気付かなかった?
それとも、現実ではないと思いたかった?
『檻』が空間だと私は言った?
それとも、深読みして言葉だと思った?
残念、不正解。
▼
▼
▼
正解は『貴方の心』にある。
私に囚われていた時、どう感じた?
私から解放された時、どう感じた?
喜び?
恐怖?
人によって、感じ方は違ったと思う。
でもね、一つだけ確かな事がある
私と出会った瞬間から
『貴方』は『愛の檻』に囚われていたという事。
『愛の檻』はね
・
・
・
一方的な愛の形でも成立するんだよ?
両思いである必要はないの。
だから、もう『貴方』は逃げられない。
例え、物理的なこの『空間の檻』から
逃げる事が出来たとしても。
理由が知りたい?
うふふ…どうしようかな
∬
∬
特別に教えてあげる。
既に『貴方の心』に
私がプレゼントした
『愛の檻』が
存在しているから、、、
これからも、よろしくね?
あ・な・た
愛の檻 椿 桜 @tubazaku
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