うちの文学部卒論の原稿「22世紀のタイムマシンの考察」

ヤッキムン

美学

 うちは「心の想いによって時空を超えられるもんなんだ!!」っていう美学を持っている。うちは、それを自分の美学ってことにしている。


 

 ある日。

 江戸時代に行ってみたい!って強く念じてみた。

 うちは江戸時代に行けた。

 

 でも未来はともかく、過去に行って過去の人と関わりすぎると、今現在も変わりかねないため、その辺のところは注意しようと思ってる。特に過去に行った場合においては。


 

 軒下で雨に濡れて、にじんだお顔のてるてる法師さんと出会った。


 「うわっ、なんで?、、、てるてる法師さんは、もともと晴れて笑顔なはずなのにっ」

って思ったうちは、なんで、にじんだお顔なのかを尋ねてみた。

 てるてる法師さんは人の作った人形であって、過去の人ではないから、話しかけても良いだろうって思って。

 あっ、うちは、人形とかにも話しかけて会話できる能力くらいは持っている。


 「昨日、わたしを作ってくれたのは可愛いちっちゃな女の子。でもその子、昨日、作ってくれた時に、うちの顔まで描いちゃって」

って答えてくれた。



 うちは自分の美学に従って、強く念じて時を超え、昨日に行ってみた。

 軒下で、てるてる法師さんを作ってる、ちっちゃな可愛い女の子。

 白い布地で、きれいに可愛く作ってる。

 と、そこまでは良いのだけれど。

 あ、もしかして、女の子は顔を描こうとしてる!?


 うちは女の子に

 「お顔は明日、晴れてから描いてあげるんだよっ」

って教えた。


 「え~っ、そうなんだ〜?!ありがとう」

って言って、軒下にてるてる法師さんを掛けている。



 また、うちは自分の美学に従い、強く念じて時を超え、翌日に戻る。

 雲ひとつない晴天。太陽あたたかで気持ち良い。

 あ、女の子。

 てるてる法師さんに可愛いお顔を描いている。描き終わって

 「ありがとう」

ってお礼を言ってる。


 そのあと、うちは、てるてる法師さんに再び会いに行った。


 「可愛いお顔ですね」

うちは声をかける。


 「あはは、、、女の子のために今日は晴れにしてあげたから、喜んで可愛い顔を描いてくれましたよ」

って笑顔で答えるてるてる法師さん。



 うちは自分の美学に従って、時を超え、自分の世界に戻った。


 

 今日は、その事を原稿に書いている。

 タイムマシンに関する原稿。

 社会学の卒業論文。

 まもなくタイムマシン実用化される。

 今年は2099年。

 もうすぐ22世紀だから。

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うちの文学部卒論の原稿「22世紀のタイムマシンの考察」 ヤッキムン @yakkimn

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