『風に溶けた祈りが、再び呼吸をはじめる』
- ★★★ Excellent!!!
“優しさ”を描こうとすると、多くの詩は甘くなりすぎる。
けれどこの詩は違う。
静かで、凛としていて、
「心に含む」という言葉に象徴されるように、痛みさえも優しさに変えていく。
遠い日の記憶、もう届かない声、
それでも“呼吸できる”のは、
誰かが残した小さな愛が、いまも胸の奥で灯っているから。
読むたびに“忘れてはいけない温度”を思い出させてくれる、
まるで祈りのような詩。
沈黙の中に光を見出す一篇です。