思春期真っ只中の、多感な時期の男の子と女の子なのでしょうな。
今日が休校と知らないで、教室まで来ちゃったんです。
で、誰もいないからってんで、今は時計と時刻表交互に眺めて一時間来ないバスを待っています。
二人はいわゆる幼馴染で、もっと子供だった時はずっと一緒にいたのに、
多感な時期になってからは男の子の方から離れて行きました。
女の子の方は、何やらそれが不満のようで……?
いやあ…… 笑
コンロが 笑
突然現れるコンロがツボで 笑
こんな青春送りたかったなあ……が詰まっております。
短い文章に、雰囲気と優しさと甘酸っぱさがたんまり入ってます!
ご一読を。
甘酸っぱい。これは理想の青春の一ページじゃないか、と尊さに打ちのめされました。
主人公は幼馴染の美優と二人、雨の日にバス停で足を止めることになります。
そんな折りに、美優から「しりとり」をしようと提案され……。
その先で出てくる単語の数々。主に美優が口にしてくる「ワード」に、それはもうドキドキとさせられました。
あくまでも「しりとりゲーム」として応対する主人公。そんな態度に美優がついに別の反応を取ることに。
この辺りの心情の機微というか、美優の内面の動きなんかを想像するともう、愛おしさが溢れてたまらない気持ちになります。
もともと、主人公くんへの想いが臨界点を突破しそうになっていたんじゃないか。そんな中で「しりとり」をして「それっぽい単語」が頭の中に浮かんで、「ゲーム」というのに紛れ込ませてフッと口にしてみたくなってしまった。
そこからはもう、堤防が決壊。たとえゲームという形でも、「その言葉」を口にしてしまったことで完全に「スイッチ」が入ってしまった。もう本人にも止められない。次々と溢れてくるその気持ち。
そして、ずっと躊躇っていた「一歩」を踏み出す勇気が。
このシチュエーション、意外と現実でも使えるんじゃないか、なんてことを考えてしまいました。ゲームという形で「その言葉」を口にする機会を与えることで、「そういうモード」に気持ちを切り替えさせてしまう。そんなワクワク感も覚えさせられました。
まさに青春な尊さの爆発した作品、強烈な幸福感を味わえること請け合いです!
本作では「僕」と「彼女」の二人の恋模様が描かれます。僕は〝鈍感〟を極めたノーデリ男。一方の彼女は僕に何度も愛を伝えようとするも、伝え方が不器用なので全然気づいてもらえない。
ある日、二人は間違えて休校日に登校してしまい、何もせず帰宅する羽目になります。二人は激しい雪が降りすさぶ中、バス停で一時間近く待つことに。
そんな中、彼女は突然「しりとりしない?」と提案します。暇を持て余していた僕が了承すると——。
しりとりをガジェットとして「愛の告白」を描くという発想が非常に面白かったです。
不器用な二人が自分なりに気持ちを伝えようとするという王道の青春物語。爽快感漂う甘酸っぱい恋模様をぜひお楽しみください!