雨と冷たさが、ツギサの内面を鋭く際立たせる。哲学的な自己実験と、濡れた制服が体に張り付く爽やかな艶の描写が素敵。水滴一つ一つが、彼女の「存在証明」になる感覚の表現が絵画みたい……。そして、その全てを優しく受け止めるミカサキとの関係性の尊さよ……。特に「彼女(今カノ)がやめろって言うんだったらやめるけど」のセリフが、二人の親密さを全て語っている。繊細で、純粋で、どこまでも美しい物語です。作者さんの繊細な美学を感じます。
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