猿も木から落ちる
タピオカ転売屋
第1話
猿も木から落ちる。
落ちません!!
あいつらの身体能力をナメすぎです、体操選手だってかないやしませんよ。
では、皆様にお聞きしましょう。
木から落ちる猿を見たことがお有りですか?
ね! これが答えですよ。
まあ、浅はかな考えでね、ドジっ子なお猿さんでも想像してんでしょうがね。
そんなんじゃ野生の世界では生きてはいけませんよ……って事は、木から落ちる=死ではないでしょうか?
これは、あきらかに猿サイドへの風評被害、ヘイトメッセージでございます。
では、一体誰が言い出したのか。
容疑者を洗いだしてみましょう。
すぐに名前が挙がるのは、やはり犬でございましょう。
犬猿の仲と申しまして、仲が悪い例えにもなっている犬こそが最有力容疑者であると推測致します。
ただ……この二人に一体どのような遺恨があるのかと調べてみたら——あるにはあるんですがね、動機が弱い。
こんな話ですよ——元旦、神様へご挨拶に行く訳ですな。
仲が良かった二人は、連れ立って向かうんですが、だんだんと競争心が湧いてきて、丸太橋の所でどちらが先に渡るかで大喧嘩。
そこに通りがかった鶏が仲裁に入った、そのせいで仲が悪いのですと書いてある。
これね、どういうことかと言えば、マラソン大会一緒に走ろうねなんですよ。
そんなことぐらいで、倶に天を戴かずの仇敵になりますかね?
まだね、犬の彼女だった鶏を猿が寝取ったとかのほうが得心がいきます。
どうも、この件についても何者かが裏で糸、引いてるんじゃないかと思うんですが、今回のテーマではないので、この辺にしときますがね。
どうやら犬は、犯人ではないという結論になりますな。
次に怪しいのがさるかに合戦でお馴染み、カニでございます。
ただ、このさるかに合戦も相当にきな臭い匂いがプンプンとしております。
まず、栗が囲炉裏で爆ぜて……
——栗!?
皆様、皆様の復讐に栗が助太刀に来たら、どうします?
まあまあ、栗にはいがいがもあるから……と思ったら使ってねぇじゃねえか!
唯一無二の武器使ってねぇって、何の縛りプレイだよ!
それから、蜂ね。
まあこれは、良しとしましょう、針もあるしね。
次は、牛の糞………………………!?
かろうじて有機物ってだけだよ。
牛、連れてこいよ!
まあでも、中世の戦争で煮えたぎる糞を武器として使われた史実があるから……有りか?
さあ皆様、長らくお待たせいたしました、臼の登場でございます。
……君、物だよね?
木工品だよね。
これが助太刀に来たと言い張るカニの精神鑑定を要求したい。
——あとさ、臼を落とすって下手すりゃ死んじゃうよ。
……なるほど!臼が話しかけてくるって、そういうことか!!
カニのクセになかなかの策士じゃねぇか。
——否!!!
カニを唆したものの存在が浮かび上がってくるのでございます。
この辺りで察しの良い皆様にはお気づきでしょうが、猿も木から落ちるということわざは、猿を無きものにせんと暗躍する巨大な陰謀の序章に過ぎぬのです。
はたして、陰謀の陰で操るものとは何者か?
おっと、これ以上は有料ブログに書いてございます。
猿も木から落ちる タピオカ転売屋 @fdaihyou
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます