モキュメンタリー現象遭遇体験エッセイ2~無人の電車編~

二八 鯉市(にはち りいち)

*絶対にモキュメンタリーではありません。ちょっと怖くはあります。

 「お、こういう導入のモキュメンタリーかぁ」

と思われてクリックされた方、大変申し訳ありません。これはモキュメンタリーではありません。


「お、なるほど。そういう一度お断りを入れるタイプのリアリティのあるモキュメンタリーかぁ」

と思われた方、そういうわけではありません。


 以下略。


 えー、以前に「モキュメンタリーじゃないんだけど、最近周囲でだいぶ怪奇現象が起きたんよね。繰り返すけどモキュメンタリーじゃないです」というエッセイを書いたことでお馴染みの私です。

 お久しぶりです。


 今回もまた、出来事があったんです、はい。


 「え、廊下で異音と、自分のではない長い髪の毛が床に落ちてた以外でまだ何か?」という話なんですけど。


 はい。あのー、はい。


 「日本にお住いの方なら絶対に名前を知っているであろう観光地の地下鉄に何気なく乗ろうとしたら、休日のお昼にも関わらずだった」

っていう。


 「え、これ2時間映画の導入?」

みたいなシチュエーションを体験しました。それが私の近況です。みなさん、1,2カ月ぶりのエッセイですがお元気でしたか? こんにちは、こんにちは。


 まあそんなわけで。


 生活環境が変わって、「さて久しぶりにエッセイでも書くかぁ」と思い、頭の中で題材を探した結果、

「そうだ、モキュメンタリ―の導入体験したじゃん、この間」

という絶好のネタがあり、こうして筆をとっているわけです。


 というわけで今回は、そんなモキュメンタリー導入体験をしたときの様子とその心境を思い出しながら綴っていこうと思うんですけど。

 あ、3回目の注意になりますが、

「なるほど、こういう日常エッセイに見せかけた浸食モキュメンタリーかぁ」と思われた方、違います。これはただのエッセイです。そういうオチじゃないです。


***


 さて、とはいえ起こったことの半分はさきほど書いてしまいました。


 「日本にお住いの方なら絶対に名前を知っているであろう観光地の地下鉄に何気なく乗ろうとしたら、休日のお昼にも関わらず車内が無人だった」


 これです。身バレが怖いのでどことは言わないんですが、知らない人はいないと思う観光地、その最寄り駅の地下鉄です。


 遭遇した心境としては、

「え、あれ? これ回送電車? え? なんで誰もいないの? 私一人? えっ? ここ×××(観光地)ぞ? ×××なのに!?」

という感じでした。

 千と千尋とかエヴァの中でしか見たことがないような、むしろ「」というぐらいの無人電車。土曜日の昼間なのに。


 でもまぁ、ですよ。

 正直これを執筆しながらも思います。

と。


 正直まぁ、観光地って交通手段も色々ですし。バス、電車、地下鉄、タクシー、モノレール。ほんと色々ありますし。むしろ観光地であればあるほど、団体さんって専用のバスをお使いかもしれないし。


 「まぁあるよねー、たまたま乗った電車が無人、ってこと。この駅だとちょっと珍しく感じるけど」


 私もそう思います。


 で、この後なんですが。

 電車がガタンゴトン動き出し。

「あーよかった、回送じゃなかった。でももしこれが回送電車だった場合って、どこまで連れていかれちゃうんだろう」

なんてことを考えていた時にですね。


 びしゃん。


 

 車内には私一人。

 電車は何事もなく、目的地へ走り続けます。

 騒いだり驚く人々は居ない。私一人だから。


 「……うわっ」


 白状しますと、体裁よく「うわ」にしてますが、実際にこういうのに遭遇した人間の声はどちらかというと、「うぉっ」とか「おゎ」とかですね。


 次にまぁ思いました。

「やばいか、これ?」


 こういう時やっぱりなんかこう、リアルに遭遇するとあれですね。

「ッスー……」

ですね。悲鳴とかないですね、案外。

 まあキョロキョロするんですけど、電車の中私しか居ないし。電車はどこかに進んでるし。電気全部消えたし。


 次に思ったことはあれですね。


 「いやマジか…………いやでもまあ、……」


 まあね。

 生きてれば、乗った電車の電気が消えること、無いわけじゃないですもんね。地元の駅とか、接続の関係? とかで必ず電気が消えるゾーンありましたし。


 でもさ。

 「観光地の休日の真昼間に無人電車」と「電気が突然消える」のするの、中々ないじゃん。

 ひきたくなかったよ、そんなSSRカード。

 おい誰だ今「固有スキル『モキュメンタリー遭遇』ですね」とか言ったの。出てこいやモキュメンタリーの藻屑にしてやるわ。


 で、その後無事に車内の電気が点き。


 正直にレポートしますと、思わず最初に確認したのは電光掲示板でした。


 「きさらぎ駅か!? なぁ、行先きさらぎ駅じゃないよな!」


 はい、ちゃんと次の目的地でした。

 というわけでネタばらしというか、身も蓋もロマンもない解説というか。

 要するにこれは別に、怪奇現象でもなんでもないです、電車ではたまにあることなんだろうと思います。

 繰り返しますが、が怖すぎただけで。


 とはいえ。


 ここからは怪奇ミステリーホラーファンでありその書き手でもある人間ながら、全く夢の無い話になるんですが。


 実際にそんな「誰も人が居ない電車に乗ったら、突然電気が消えた体験」をした折の私のリアルな心境はと申しますと。


 「明日も仕事だし、もうどこでも連れてってくれていいよ」


 はい。


 「行きたくない! 助けてくれそんな世界になんて行きたくない! やめてくれ俺を帰してくれ! だ、出してくれ! ここから出してくれ!」

とかじゃなかったです。



 そうです。

 世の中、です。


 そんな、モキュメンタリ―導入レポ体験でした。


 私個人としては怖い体験は別にしたくてしてるわけではないので、絶対に「次回をお楽しみ」にしないでください。もうイヤです。


 では皆さん、別の平和なエッセイでまたお目にかかりましょう。


 明日も私は仕事にでかけます。

 その際には、今回話題にした観光地の駅を通るのですが。


 でギュウギュウなのです、大抵ね。


 憂鬱ですね、満員電車。

 まあ、時間帯ですよね、時間帯。


 <終>

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

モキュメンタリー現象遭遇体験エッセイ2~無人の電車編~ 二八 鯉市(にはち りいち) @mentanpin-ippatutsumo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ