夜香と煙霞の花街譚

そこは二つの顔を持つ街。古きと新しきを織り交ぜて、昼と夜の顔を持つ。栄華を誇る都には、繁栄の影を映す境の街。そして、都の最奥、見目麗しき男
女が芸と香りで楽しませる夜の街…花街があった。
そんな花街出身の青年──ロイドは、とある資産家の屋敷の下男として働いている。
ある日、その屋敷の一人娘であるお嬢様にお使いを言い渡されてしまう。そのお使いとは、境の街にあるという、誰も詳細な所在を知らない不思議な煙草屋で、お香を買ってくること。
渋々頷いたロイドは、境の街を駆け回る。そこでであったのは、煙草屋の店主を名乗る美しい男性─アイーザだった。
一目で彼に心奪われたロイドは、恋に落ち、彼との恋に落ちていく───

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お話の内容は変わりません