世紀末大戦ーユニゾンと俺の絆ー

沢田美

第1話 世紀末大戦

 銃弾が飛び交う戦場。俺は今、この地獄の中で銃を手にして、アイツがこの戦場に来るのを待っている。

「それにしても、来るの遅すぎるだろ! もう三時間近く待機してるぞ」

 そう呟きながら、弾切れになった銃に弾を込める。

 ここは戦場——一発でも銃弾が当たれば、それは死を意味する。

 爆音が鼓膜を揺らし、硝煙が鼻を突く。仲間の悲鳴が遠くで響く。

 ——クソッ、これも全部あのクソババアのせいだ。


※※※ 数日前 ※※※

 

 当時勤めていた工場から帰ってきた俺は、疲れ切った体のまま古いボロボロのベッドに倒れ込んだ。

 体中が油と汗で汚れている。シャワーすら浴びる気力が湧かない。

 その時、ちょうど俺の部屋の扉が乱暴に開いた。

「ちょっとアレン、もう給料入ったでしょ? 早くよこしな」

 そう言って部屋に入ってきたのは、俺の母親であるミストだ。

 

「は? なんでだよ」

 俺は不満げにそう言った。すると、ミストは眉間に皺を寄せて怒鳴るように言った。

「私の金だけじゃ生活が苦しいんだよ! ただでさえこの国は敗戦続きで、物価が高騰してる。私だけの稼ぎじゃ足りないんだよ!」

 そう言われて、俺は改めてこの国の現状を思い出した。

 この国——ユバ王国は、かつて最強と謳われた国だった。

 軍事力も技術も最先端。車も電車も街を走り、誰もが豊かな生活を送っていた。

 でも、今となっては見る影もない。

 十年前、隣国ソバルト王国の侵攻を受けて大敗。それ以来、周辺国から次々と侵略され、最弱の国にまで成り下がった。

 結果、ユバ王国はソバルト王国の植民地となり、俺たちユバ国民は他国から差別の対象となった。物価は高騰し、食料も金も全てが貴重品になった。

 かつてはこの国にも学校があったらしいが、俺はそんなものに通ったことはない。十三歳で工場へ放り込まれ、現在十八歳——人生のほとんどを機械油の匂いと共に過ごしてきた。

「はぁ……分かったよ」

 俺はボロボロのバッグから封筒を取り出し、それをミストに渡した。彼女はため息をつくと、礼の一つも言わずに部屋を出ていった。

 お礼くらい言えよ、クソが——

 そんなことを思いながらも、俺はベッドに腰を下ろす。

 ああ、俺も金持ちになりたいな。ソバルト王国の野郎どもに一泡吹かせてやりたい。

 俺は本棚にある数少ない本の中から、歴史書を手に取った。

 ページを開けば、ユバ王国のかつての栄光を写した写真がずらりと並んでいる。

 そして、俺の目はある一枚の写真に釘付けになった。

 その写真には、美しい女性と研究者のような男が並んで立っている。女性は青い瞳に白い肌をしていて、まるで人形のように整った顔立ちだった。そして彼女は、重厚な鎧のようなものを纏い、見たこともない武器を持っている。

 キャプションにはこう書かれていた。

『超高性能戦闘人造兵器——ユニゾン』

「ユニゾン……」

 俺がそう呟いた時、再び部屋の扉が開いた。

 顔を上げると、そこにはミストがいた。さっきの尊大な態度はなく、どこか物悲しそうな顔をしている。

「どうしたんだよ、いきなり」

「……お父さんが死んだわ」

「……そうかよ」

 俺の父は、ソバルト王国軍の兵士だった。

 生と死の隣り合わせの戦場で、あっけなく死んだのだろう。

 俺の中には、悲しみよりも「やっぱりな」という諦めが先に来た。

「アレン、それで——アンタに会いたい人が今来てるわ」

「は?」

「すこーし失礼するよー」

 そう言って、黒い革ジャケットを着た長身の男が現れた。

 その男の周りには、護衛のような屈強な男が二人。

 困惑する俺に、ジャケットを着た男は淡々と語り出した。

「俺はユバ王国の特務機関を仕切ってるカイだ。単刀直入に言うわ——お前の適性が認められた。よって今から、お前をユニゾンのパートナー候補に選定する」

「——はっ!? な、何言ってんだよ! ユニゾンのパートナーってまさか——!」

「そうだよ。お前は相棒のユニゾンと共に戦場へ赴くんだよ」

 カイの言葉に、俺は言葉を失った。

 ユニゾンとは——個体ごとに相性の良い人間が存在する兵器だ。

 相性の善し悪しで、ユニゾンが引き出せる力は天と地ほど変わる。

 例えば、全く相性が合わない人間がユニゾンと組めば、その戦闘能力は虫以下、銃にも劣る。

 しかし、相性の良い人間がユニゾンと組めば——その戦闘能力は核爆弾に匹敵するほどだ。

「そ、それで、アンタらは俺を戦場に連れていくつもりなのか?」

 俺がそう問いかけると、カイは掛けていた眼鏡を光らせた。

「残念ながらそういうことだよ。この王国の特務機関が、君ととびっきり相性の良いユニゾンを開発してね——よって、君に残された選択肢は二つ。『ユニゾンと共に戦う』か、『このままただの雑兵になる』か。俺の個人的な意見を言わせてもらうと、ユニゾンと共に戦うことを強く推奨するよ」

「……ちょっと考えさせてくれないか?」

「いいよ。明日まで答えを待とう——いい返事が聞けることを期待してるよ」

 そう言い残して、カイは二人組の男と共に出ていった。

 俺がユニゾンと戦場で戦う……。

「アンタ、答えは決まってるんだろ?」

「——は? んなもん決まってるわけねえだろ」

「ごめんけど、アレン。私は息子であるアンタに、無理にでも戦場に行かせるつもりよ。良かったわね——ただでさえユニゾンのパートナーになる確率なんて稀なのに」

 ミストは冷たくそう言い放った。

 俺はそれに反論しようと口を開く。

「んなもん勝手に決めんじゃねえよ! 死ぬかもしれない戦場に行くんだぞ!? 父さんが死んじまったばっかなんだぞ!?」

 俺がそう抗うと、ミストは歯切れの悪い顔をして俺に歩み寄った。

 ——そして、俺の顔面に蹴りを入れてきやがった。

「ガハッ——!」

「なに弱音吐いてんだよ、テメェは! 私の金で生きてきたんだ! 私が育ててきたんだ! だからアンタの生殺与奪の権利は私が握ってるのと同義! アレン——私のために死んでくれよ」

 俺の胸ぐらを掴みながら言う彼女に、俺の中の何かがプツンと切れた。

 次の刹那——俺は胸ぐらを掴んでいたミストを蹴り飛ばした。床に尻もちをつくミストに馬乗りになり、顔面を殴る。一発、二発、三発——

「なにが『お前が育てた』だよ! お前なんかただの傍観者だったじゃねえか! 俺を育ててきたのは俺自身だ! アンタら両親は俺に見向きもしなかっただろうが! 俺の生殺与奪の権利を握ってる? 寝言言いたきゃ死んでから言えよ、このクソババア!」

 ふつふつと溜まっていた鬱憤を晴らすように、心の奥に溜まったヘドロを吐き出すように、俺は暴言を吐いた。

 俺の目の前には、顔を赤く腫らしたミスト。

 そんな彼女を見て冷静になり、俺はミストから離れた。

 無言の空間。俺もミストも言葉を交わすことなく、彼女は俺の部屋から去っていった。

 ユニゾン……もし俺がこのままユニゾンのパートナーになれば、きっと激戦区の戦場に派遣されるだろう。

 ミストもきっと、俺のことを金を稼いでくるゴミとしか思ってないだろうな——だから、普通の一般兵より圧倒的に立場も稼ぎも良いユニゾンのパートナーを強く推してる。

「誰がパートナーなんかになるか……!」

 そう一人で吠えると、俺はそのままベッドに横になり、目を閉じた。

 頭に思い浮かぶのは、この世界とは別の世界——戦争も抗争もない平和な国で、平和に暮らす妄想。

 学校に通って、友達がいて、好きな異性がいて……そんな生活を送りたい。

 そんなことを考えながら、俺の意識は闇へと落ちていった。


※ 翌朝 ※

「おーい、そろそろ起きたらどうだー?」

 聞き慣れない声が俺を呼び起こす。

 その声に、俺は重い瞼を開けて体を起こした。

「ここは……?」

 目を覚ますと、そこは軍用車両の中のような場所だった。

 硬い座席、武骨な内装、そして窓の外を流れる景色——

 突然の状況に困惑する俺。

 これ……現実なのか? なんで俺は軍の車なんかに……。

 言葉一つも思い浮かばない俺の隣には、昨日出会ったカイという男がいた。

「やぁ、起きたようだね」

「は? え? な、なんで俺はここに?」

「え? 君の母親が寝ている君を託してくれたんだよ」

「はぁ?」

 あのババア、とうとう息子を国に売り渡しやがった——

 またふつふつと怒りが湧き上がってくるのを感じる。

「もしかして母親に売られた感じか?」

 カイが申し訳なさそうな顔をしながら問いかけてくる。

 俺は黙ったまま頷いた。

 すると、カイは苦笑いを浮かべた。

「世の中にはそういう親もいるんだな……まあ安心しなよ。ユニゾンに選ばれたパートナーは決して悪い思いはしない。普通の一般兵よりも待遇は良いし、融通も利く——なにより、金がめちゃくちゃ入るよ」

 俺をまるで励ますように言うカイ。

 俺はこれも特務機関の仕事の一環だと思いながら聞き流す。

「所詮俺は、親からはただの金稼ぎロボットとしか思われてない」

 きっとそうだ。これは同情を誘ったり、解放されたいという逃げの言い訳じゃない。

 本当に俺は親からそう思われていると、心の底から確信しているから言ったんだ。

「まあさっきは綺麗事を言ったけど——ユニゾンに選ばれることはとても貴重で名誉なことだ。……良かったら、君の収入が他に流れないようにしようか?」

「……それは本当か? 本当に?」

「——本当だ。君がユニゾンのパートナーになると決意してくれたらね」

 ユニゾンのパートナー……決して楽で簡単なことじゃない……でも、あのクソババアから脱却できるチャンスだ。自分が稼いだ金を、自分のために使うことができる——だったら!

「分かりました。ユニゾンのパートナーになります」

「少し気が乗ったみたいだね。助かるよ」

 そんな会話をカイとしていた時、車が止まった。

「着きました、カイさん」

 運転手の男が言うと、隣にいたカイは俺に手を差し伸べた。

「さあ、行くよアレン」

「ああ」

 俺は差し伸べられた手を取って、車から降りた。

 車を降りると、目の前にあったのは——綺麗な石造りの、まるで宮殿のような巨大な建物だった。

 いつも暮らしているスラム街では決して見ることのないその建物に、俺は思わず周囲を見渡す。

 すると、そこはまるで別世界のように発展していた。舗装された道路、行き交う人々、店が立ち並ぶ通り——

「ここはユバ王国の中心地。この中に、君を待っているユニゾンがいるよ」 

「……」

「怖気づいたかい?」

「行くぞ。案内してくれ」

「ハハッ! 気が強いね」

 俺はカイに先導されながら、特務機関の建物の中へ入っていった。


※※※ 特務機関内部 ※※※

 中に入ると、綺麗なエントランスが広がっていた。壁には色々な張り紙が貼ってある。

 文字はあまり読めないが、写真を見る限りユニゾンに関する資料や、戦争中の記録写真が貼られている。

「こっちだよ」

 カイに手招きされて、彼が降りていく階段を俺も一緒に降りていく。

 だんだんと地下のような場所へ向かっていくと、青い淡い光が漏れているのが見えてきた。

「ここは……」

 階段を降り切ると、そこは鉄の壁に囲まれた広い空間だった。

 淡い青い光が俺たちを照らす中——それは立っていた。

「これが……ユニゾン」

 俺の目の前にいる存在。

 重厚な装甲を身にまとい、両腕には巨大な銃口が取り付けられている。背中には大砲のようなものを背負い、まるで一人の兵器そのものといった姿。

 しかし——その顔は、俺が歴史書で見たあの写真に写っていたように、驚くほど美しい少女だった。

「パートナーを連れてきたぞ」

 カイの呼びかけに、俺の目の前にいた少女はゆっくりと目を見開いた。

「貴方が——マスター?」

 驚いた……戦闘兵器として作られた存在が、こんなにも人間らしく喋るなんて……。

 驚く自分をよそに、カイは俺に視線を向ける。

「そ、そうだ。お、俺がマスターだ」

 俺がそう言った瞬間——辺りにあった青い光が激しく点滅し、ユニゾンを繋いでいた無数のコードやケーブルがバチバチと火花を散らして千切れた。

 まるで何かの封印が解かれたように、ユニゾンはぎこちない足取りで俺に歩み寄ってくる。

「貴方の名前を教えて? マスター」

「俺はアレン……ただのアレンだ」

「そう、私は……私の名前は……」

 どこか戸惑うように言葉を探すユニゾン。

 それを見ていたカイは口を開いた。

「ユニゾンには前世の記憶がないから、アレンが名前をつけるといい」

「前世……の記憶?」

 カイが発したその言葉に、妙な引っ掛かりを覚えた。

 しかし俺は、とにかく目の前にいるユニゾンの少女の名前を考える。

「——アミ。アミでどうだ?」

「アミ……うん! 気に入ったよ、マスター!」

 まるで人間のように、穏やかにアミは微笑んだ。

 彼女のその笑顔は兵器なのに、とても人間味のある温かい雰囲気だった。

「それじゃあアミは少しこの場で待機しててくれ。今から、お前のマスターに色々と説明する」

 カイはそう言うと、そのままある場所に向かって歩き出す。

 俺はそんな彼の後をついていった。

 そして、俺はある疑問をカイに問いかけた。

「ユニゾンに『前世の記憶』ってなんだ」

 そう問いかけた時、カイは真剣な顔で俺の方を向いた。

「そうか、知らなかったね。ユニゾンは歴史の教科書では『人類が作り出した人造兵器』と言われている——が、それは正しくもあり、間違いでもある。ユニゾンは、モデルになる人間を選抜して、選ばれた者は武装改造され、記憶も消される——それが超高性能戦闘人造兵器、ユニゾンさ」

「じゃあアミは元々は——」

「そう。普通の少女だった」

 その事実を知ってしまった時、俺は何とも言えない罪悪感に襲われた。

 自分に無理やり従わせているようで、とても気分の悪いものだ。

「アンタらは何も思わないのか? ユニゾンに改造する時」

「思うところはあるよ。罪悪感とか、特に……でも、これが俺の仕事だからさ」

 淡々とカイは言葉を並べた。俺はそんな彼の隣を歩きながら、ある部屋に誘導される。

 その部屋は、銃やナイフなどの武器で溢れていた。

「今からアレンには、ユニゾンとの適合試験を受けてもらう」

「試験?」

「実際の戦場で、その真価を発揮させるのさ」


※※※ 戦場 ※※※

 

 弾が飛び交う戦場の中で、俺は銃弾を弾倉に詰める。

 どうやらこの戦争で、国の勝敗が決まるという重大な戦場らしい。

 辺りからは爆発音、兵士たちの悲鳴や雄叫び、そして銃弾が地面に激突する音などが聞こえている。

 ——クソッ、これも全部あのクソババアのせいだ。

 俺の脳裏に浮かぶ、母親ミストのクソみたいな顔。

 そして俺が、弾を込めた銃を敵へ向けた時——相手からの鉛玉が頬を掠めた。

 じんわりとした痛みが走る中、俺はこちらへ銃口を向けている敵に引き金を引いた。

 銃声。そして——遠くで誰かが倒れる音。

 きっと父さんもこんな感じで人を殺して——どんな思いで人を殺めたんだろうか。

「来るぞ! 俺たちのユニゾンが!」

 背後から聞こえた仲間たちの声。

 俺はとっさに、ボロボロになった建物の物陰に隠れた。

 そして——俺の目の前に降り立ったのは、完全武装をしたユニゾン、アミだった。

「マスター、指示を」

 脳内に直接語りかけるように聞こえる声。

 そういえばここに来るまでに、手に注射を打たれていたっけ。

 そんなことを思い出しながら、俺は声を上げた。

「俺たちの敵を殺してくれ!」

「承知いたしました。これより、敵兵の殲滅に取り掛かります」

 ——その瞬間、アミの足からジェット機が加速する時のように炎が吹き出した。

 炎は赤から青へと変色していく。

 次の刹那——アミは音を置き去りにするほどの速さで、敵軍の方へ突っ込んだ。

 突然のことに動揺しながらも、敵は銃をアミに向けて乱射する。

 そして遠くからも、戦車や戦闘機が飛んでくる。

 戦車からは砲撃が、戦闘機からは無数のミサイルが降ってくる。

 

「——アミ!」

「ご安心ください。私の体は戦闘機のミサイルでも傷一つつきません」

「はぁ!?」

「敵を殲滅します」

 アミの体に取り付けられた武器たちが起動する。

 銃口から青い光が漏れ出している。

 ——瞬間、アミの身体に取り付けられた全ての銃口から、青いレーザーのようなものが発射された。

 それは正確に、かつ確実に敵軍の額を貫き、飛んでいる戦闘機さえ撃墜させた。

 たった数秒で、その場にいた敵軍を壊滅させたアミ。

 そして脳裏に語りかけてくるのは、彼女の声。

「敵を殲滅しました。敵の生存反応なし」

 彼女の冷徹な声が脳裏を駆け巡る。

「……これが、ユニゾン」

 敵が殲滅されたことを確認した仲間たちは、勝利の雄叫びを上げる。

 涙を流し、今日も生きて帰れると喜ぶ人。仲間たちの死が無駄じゃなかったと歓喜する者。

 しかし——俺は素直に喜べなかった。

 なぜなら、死んだ一人の敵兵の手には、家族写真のペンダントが握られていたからだ。

 この敵にも——いや、俺がユニゾンを通して殺してしまった人たちには、帰りを待つ親しい人間がいることに、今更気づいた。

 ——戦争なんて、この世界から消えてしまえばいいのに。

「どうしましたか? マスター」

 一人悩む俺を見たのか、アミが宙を飛びながら寄ってきた。

 俺はそんな彼女の純粋そうな顔を見て、カイの言葉を思い出す。

『そう、普通の少女だった』

 その言葉が何度も脳裏を反復する。

 俺はそんな言葉を心の奥底に封印した。

 多分これを悩んだって、ユニゾンが——戦争がなくなることなんてないのだから。


※※※ 帰還後 ※※※

 

「アレン! お前のユニゾンのおかげで今日も生き残れたぜ!」

「ありがとうな、アレン!」

「アレンさん、凄いですよねユニゾンを使えるなんて!」

 軍の車両の中で、仲間たちが俺を褒め称えてくる。

 俺はそんな彼らの言葉に耳を貸さなかった。

 多分、こいつらは俺のユニゾンが——アミが元々は普通の少女だってことを知らない……だから何を話しても無駄だ。

 そんなことを考えながら、俺たちは王国へ帰還した。


※※※ 王国中心地 ※※※

 王国へ戻ると、そこはパレードの真っ最中だった。

 最弱と言われていたユバ王国が勝ったのだから、国民からしてみればお祭り騒ぎに違いない。

 でも、その頂点の下には無数の死体が積まれていることを、国民は気にしない。

「マスター? どこか体調が悪そうですね」

「そうか……そう見えるのか」

「はい。今すぐ病院に行くことを推奨します」

「いや、それは良い。そうだ、アミ! この後の仕事が一段落したら、祭りを楽しまないか?」

 この気持ち悪い気分を紛らわすために、俺はアミに提案した。

 すると、アミはまるで子供のような純粋な笑顔で「はい!」と言った。


※※※ カイとの対峙 ※※※

 

「残念だが——それは無理だ」

 外にアミを連れていくと提案した俺に突きつけられたのは、カイの無情な言葉だった。

「なんでだよ! アミだって俺たちの仲間だ、それくらい良いだろ!?」

「残念だが、これは決まりなんだ。ユニゾンを無闇に外に持ち出すのは禁止されている。ユバ王国の憲法で決まっているんだよ」

 冷たくあしらうように言ったカイ。

 俺は言いたいことを言おうと思ったが、それを言ってもきっと彼がユニゾンを持ち出すことを許さないと思い、言わなかった。


※※※ 屋上での密会 ※※※

「アミ! 祭りを見に行くぞ」

 

 俺は周りの監視を抜けて、隠れながらアミを外に連れ出した。

 祭りに行くんじゃない。少しだけ外を覗かせる、ただそれだけだ。

 職員から隠れながら彼女の手を引いて、俺は賑わっている祭りの全貌が見える屋上までたどり着いた。

「うわぁ! 凄いです! マスター!」

「だろ! お前にあの鉄の部屋は狭すぎる——だって世界は、あそこ以上に広いんだ!」

 俺たちはそこに少しだけ——十五分ほど、屋上で祭りを眺めた。

「なあ、アミ」

「なんですか? マスター」

「今度は一緒に、祭りを回ろうぜ!」

「そうですね! マスター!」


 ※※※ 一年後——ソバルト王国国境地帯 ※※※

  

 あれから一年が経った。

 俺とアミは、十を超える戦場を駆け抜けてきた。

 そして今日——俺たちは、かつてユバ王国を植民地にしたソバルト王国との決戦に臨もうとしていた。

「全軍、配置につけ! 今日こそソバルト王国に一泡吹かせてやる!」

 カイの号令が響き渡る。

 俺の周囲には、数百人の兵士たちが銃を構えている。戦車が地響きを立て、戦闘機が上空を旋回している。

 そして——俺の隣には、完全武装したアミが立っていた。

「マスター、準備は整っています」

「ああ。今日は派手にやるぞ、アミ」

「了解しました」

 アミの青い瞳が、戦場の向こうを見据える。

 あの瞳は、一年前よりもずっと鋭く、そして——どこか人間らしさを帯びていた。

「アレン隊長! 敵軍接近! 数は——推定三千!」

 部下の報告に、俺は双眼鏡で前方を確認する。

 地平線の向こうから、黒い波のように押し寄せてくるソバルト王国軍。

 戦車、装甲車、そして——無数の歩兵。

「三千か……上等だ」

 俺は双眼鏡を下ろし、アミに視線を向けた。

「アミ、作戦開始だ。まずは敵の戦車部隊を叩く。そのあと歩兵を殲滅——いつも通りだ」

「承知しました。マスター、離脱推奨距離まで後退してください」

「分かってる」

 俺は部下たちに合図を送り、後方へ下がる。

 そして——アミが、戦場の中心へと歩み出た。


※ 戦闘開始 ※

「敵ユニゾン確認! 全砲門、照準!」

 ソバルト軍の指揮官が叫ぶ。

 次の瞬間——十数台の戦車が一斉に砲撃を開始した。

 轟音と共に、無数の砲弾がアミへ向かって飛んでいく。

「アミ!」

 俺が思わず叫んだ、その時——

「回避不要。全弾、迎撃します」

 アミの声が脳内に響いた瞬間、彼女の両腕に取り付けられた銃口が青白く発光した。

 ——次の刹那。

 まるで雷鳴のような連射音が響き渡る。

 アミの両腕から発射された無数の青いレーザー弾が、飛んでくる砲弾を空中で撃ち落としていく。

 爆発、爆発、爆発——

 空が赤く染まり、熱波が戦場を襲う。

「な、なんだあれは……!」

「化け物か!?」

 ソバルト軍の兵士たちが動揺する。

 そして——砲撃の煙が晴れた時、そこには無傷のアミが立っていた。

「敵戦車部隊、殲滅開始」

 アミの足から青い炎が噴き出す。

 ——次の瞬間、彼女の姿が掻き消えた。

「消えた!? どこだ!」

「上だ! 上にいるぞ!」

 ソバルト軍の兵士が叫んだ時には、もう遅かった。

 アミは音速を超える速度で上空へ飛び上がり、そのまま急降下——敵の戦車部隊の真上へと降り立った。

「砲撃開始」

 アミの背中に取り付けられた大砲——通称『天罰砲』が起動する。

 砲口が赤く、そして青く輝く。

 エネルギーが収束していくのが、遠くからでも分かった。

「撃て! 今すぐ撃て!」

 ソバルト軍の指揮官が叫ぶが——

 アミの天罰砲が火を噴いた。

 青白い光の柱が地面を貫き、敵の戦車部隊を一瞬で蒸発させる。

 爆風が吹き荒れ、地面が抉れる。

 まるで神の裁きのような光景だった。

「う、嘘だろ……」

 俺の隣にいた部下が、呆然と呟く。

 戦車十数台が、たった一撃で——跡形もなく消えていた。

「敵戦車部隊、殲滅完了。次の標的——歩兵部隊へ移行します」

 アミの冷徹な声が脳内に響く。

 そして彼女は、怯える敵兵たちへ視線を向けた。


※ 歩兵戦 ※

 

「ひ、ひぃぃ! 逃げろ!」

「撃て! 撃てぇ!」

 ソバルト軍の歩兵たちが、パニックに陥りながらも銃を乱射する。

 無数の銃弾がアミへ向かって飛んでいくが——

 全ての銃弾が、アミの装甲に弾かれて火花を散らす。

「無駄です」

 アミはそう言うと、両腕の銃口を敵兵へ向けた。

「マスター、殲滅許可を」

 脳内に響く彼女の声。

 俺は——少しだけ躊躇した。

 あの兵士たちにも、家族がいる。帰りを待つ人がいる。

 でも——

「……許可する。全員、殲滅しろ」

「了解しました」

 アミの瞳が、一瞬だけ悲しげに揺れた気がした。

 ——そして、次の瞬間。

 アミの両腕から、無数の青いレーザー弾が発射された。

 それは正確に、恐ろしいほど正確に——敵兵一人一人の額を撃ち抜いていく。

 一発で一人。外すことは一度もない。

 まるで機械のような、いや——機械そのものの精度だった。

「ぎゃああああ!」

「助けて——!」

 悲鳴が響き渡る。

 しかしアミは、表情一つ変えずに引き金を引き続ける。

 十秒、二十秒、三十秒——

 そして一分後。

「敵歩兵部隊、殲滅完了」

 アミの声が響いた時、戦場は静まり返っていた。

 地面には、無数の遺体が転がっている。

 三千人いた敵軍は——もう、一人も残っていなかった。

「……アミ、帰還しろ」

「了解しました」

 アミはゆっくりと俺の元へ戻ってきた。

 その足取りは、どこか疲れているように見えた。


※ 戦闘後——仮設テント内 ※

 

「アレン隊長! 大勝利です!」

「我々の損害はゼロ! ゼロですよ!」

 興奮した部下たちが俺を囲む。

 しかし俺は、素直に喜べなかった。

 視線の先には——武装を解除されたアミが、一人で座っている。

「……悪い、少し席を外す」

 俺は部下たちを置いて、アミの元へ向かった。

「アミ」

「マスター……お疲れ様でした」

 アミは、いつもの笑顔を浮かべた。

 でも——その笑顔は、どこか無理をしているように見えた。

「なあ、アミ。お前……辛くないのか?」

「辛い?」

「人を殺すこと。何千人も、何万人も……お前は、何も感じないのか?」

 俺がそう問いかけると、アミは少しだけ目を伏せた。

「……分かりません。私は兵器ですから」

「でも、お前は元々——」

「普通の少女だった……そうですよね」

 アミは静かに言った。

「でも、私にはその記憶がありません。だから——私は兵器として、マスターの命令を遂行するだけです」

「……そうか」

 俺は何も言えなくなった。

 そして——ふと、アミの手を見る。

 その手は、微かに震えていた。

「アミ……」

「マスター、明日も戦闘がありますね」

「ああ」

「では、しっかり休んでください。私は、マスターを守りますから」

 そう言って、アミは笑った。

 その笑顔は——とても、寂しそうだった。


※※※ 数日後——ソバルト王国首都攻略戦 ※※※

 

 あの戦闘から数日後、俺たちはソバルト王国の首都へと進軍していた。

 今日の作戦は——首都中枢への強襲。

 王国の心臓部を叩き、この戦争に終止符を打つ。

「アレン、準備はいいか?」

 カイが俺に問いかける。

「ああ。いつでもいける」

「そうか。じゃあ——頼んだぞ」

 カイはそう言うと、俺の肩を叩いた。

「マスター、行きましょう」

 アミが、完全武装した姿で俺の隣に立つ。

 今日の彼女は、いつもより気合いが入っているように見えた。

「ああ。今日で終わらせる」

 俺とアミは、首都の城壁へと向かった。


※ 首都攻略戦——開始 ※

 

「敵ユニゾン接近! 迎撃準備!」

 城壁の上から、ソバルト軍の兵士たちが叫ぶ。

 そして——無数の大砲が、一斉に火を噴いた。

 空が砲弾で埋め尽くされる。

 まるで鉄の雨のように、無数の砲弾が降り注ぐ。

「アミ、いけるか!?」

「問題ありません。マスター、私を信じてください」

 アミはそう言うと——両腕を天に向けた。

「全砲門、全開放」

 次の瞬間、アミの体中に取り付けられた全ての武器が一斉に起動した。

 両腕の銃口、背中の大砲、肩に取り付けられた小型ミサイル——全てが青白く発光する。

「——斉射ッ!」

 まるで花火のように、無数の光弾が空へ向かって発射された。

 それは降り注ぐ砲弾を全て撃ち落とし、そのまま城壁へと突き進んでいく。

 城壁が爆発し、瓦礫が飛び散る。

 穴が開き、煙が立ち上る。

「突入するぞ、アミ!」

「了解!」

 アミは俺を抱えると、足から青い炎を噴き出して——爆発で開いた穴へと飛び込んだ。


※ 首都内部——市街戦 ※

 

 城壁を突破した俺たちを待ち受けていたのは——無数の敵兵だった。

「撃て! 撃てぇ!」

 建物の窓から、路地の陰から、屋上から——あらゆる場所から銃弾が飛んでくる。

「アミ、防御!」

「了解!」

 アミは俺を庇うように立ち、飛んでくる銃弾を全て装甲で弾く。

 そして——

「反撃開始」

 アミの瞳が鋭く光る。

 次の瞬間、彼女は音速で動き出した。

 一瞬で建物の屋上へ飛び上がり——

 三人の狙撃手を一瞬で撃ち抜く。

 今度は路地へ降り立ち——

 拳で敵兵を吹き飛ばす。

 まるで風のように、戦場を駆け巡るアミ。

 その動きは、もはや人間の目では追えないほど速かった。

「化け物だ……!」

「逃げろ! あんなのに勝てるわけない!」

 敵兵たちがパニックに陥る。

 しかしアミは——誰一人逃がさなかった。

「マスター、敵兵殲滅まで残り三十秒」

「了解」

 俺は冷静に答える。

 もう、何も感じなくなっていた。

 罪悪感も、恐怖も——何もかもが、麻痺していた。

 そして三十秒後——

「敵兵、全滅」

 アミの声が響いた時、首都の市街地は——静まり返っていた。


※ 王宮前——最終決戦 ※

 

 市街地を突破した俺たちは、ついに王宮の前までたどり着いた。

 そこには——ソバルト王国の最終防衛線が待ち構えていた。

「よくぞここまで来たな、ユバの犬め」

 王宮の階段の上に立つ、一人の男。

 その男は——ソバルト王国の将軍、ガルムだった。

「貴様のユニゾンが強いのは認めよう。だが——俺たちにも切り札がある」

 ガルムがそう言った瞬間——彼の背後から、何かが現れた。

「まさか……ユニゾン!?」

 俺は驚愕した。

 そこに立っていたのは——赤い装甲を纏った、もう一体のユニゾンだった。

「我が国が誇る最強のユニゾン——『紅蓮』だ。貴様のユニゾンと、どちらが強いか——試してやろう」

 ガルムの言葉と共に、紅蓮が動き出す。

「マスター、敵ユニゾン確認。戦闘態勢に入ります」

「ああ、頼む——アミ」

「了解しました」

 アミと紅蓮が——対峙する。

 そして——

 二体のユニゾンが、同時に動き出した。


※ ユニゾン同士の激突 ※

 

 アミの拳と、紅蓮の拳が激突する。

 衝撃波が広がり、地面が割れる。

「速い……!」

 俺は驚愕した。

 紅蓮の動きは、今まで戦ってきたどの敵よりも速い。

 紅蓮が銃を乱射する。

 アミは身をかわしながら、反撃の光弾を放つ。

 爆発が連続する。

 煙が立ち込める中——二体のユニゾンが高速で動き回る。

「アミ、大丈夫か!?」

「問題ありません。ただし——この敵、強いです」

 アミの声に、初めて焦りが混じっていた。

「全力でいけ!」

「了解!」

 アミの背中の大砲が起動する。

 青白い光が収束していく。

「天罰砲——発射!」

 青白い光の柱が、紅蓮へ向かって放たれる。

 しかし——

「甘い!」

 紅蓮は、その光の柱を——回避した。

 音速を超える速度で横に跳び、そのまま——アミへ突撃する。

「——ッ!」

 アミが防御態勢に入るが——

 紅蓮の拳が、アミの装甲を打ち抜いた。

「アミ!」

 俺が叫ぶ。

 アミは地面に叩きつけられ——血を吐いた。

「マスター……すみません……思った以上に、強いです……」

「アミ……!」

 俺は駆け寄ろうとするが——

「動くな、ユバの犬」

 ガルムが銃を俺に向ける。

「貴様のユニゾンは終わりだ。そして——貴様も、ここで死ね」

 ガルムが引き金に指をかけた、その時——

「——マスターを、傷つけるな」

 アミの声が響いた。

 そして——彼女は、ボロボロの体で立ち上がった。

「アミ、無理するな!」

「いえ——これは、私の意思です」

 アミの瞳が、強い光を帯びる。

「私は——マスターを守る。それが、私の存在理由だから」

 そう言って、アミは——全ての武器を起動させた。

「全兵装、全開放——出力、限界まで上昇」

 アミの体が、眩しいほどの青い光に包まれる。

「マスター、私を——信じてください」

「ああ、信じてる」

 俺はそう答えた。

 そして——

「行け、アミ!」

「了解——殲滅開始!」

 次の瞬間、アミの姿が掻き消えた。

 ——いや、消えたのではない。

 あまりに速すぎて、目が追いつかないだけだ。

 無数の衝突音が響き渡る。

 アミと紅蓮が、高速で打ち合っている。

 その速度は、もはや光のようだった。

 そして——

「——終わりだ」

 アミの声が響いた瞬間、紅蓮の動きが止まった。

 ——胸に、巨大な穴が開いていた。

「ば、馬鹿な……我が国最強のユニゾンが……」

 ガルムが呆然と呟く。

 そして——

 紅蓮が、地面に倒れた。

「敵ユニゾン、撃破完了」

 アミはそう言うと——倒れそうになった。

「アミ!」

 俺は駆け寄り、彼女を抱きとめた。

「マスター……勝ちました……」

「ああ、勝ったぞ。お前が勝たせてくれた」

「良かった……これで、マスターを守れました……」

 そう言って、アミは——微笑んだ。

 その笑顔は、今まで見た中で一番——人間らしい笑顔だった。


※※※ 戦闘終了——勝利の代償 ※※※

 

 ソバルト王国は、その日、陥落した。

 ユバ王国は——かつて植民地にされた屈辱を晴らした。

 そして俺とアミは——英雄と呼ばれるようになった。

 しかし——

「アミ、お前の体……大丈夫なのか?」

 戦闘後、医療テントで休むアミに、俺は問いかけた。

「問題ありません。数日で修復完了します」

「そうか……」

 俺は、アミの手を握った。

 その手は——冷たかった。

「なあ、アミ。お前、怖くなかったか?」

「怖い?」

「死ぬかもしれなかっただろ。あの戦いで」

 俺がそう言うと、アミは少しだけ考え込んだ。

「……怖かったです」

「え?」

「でも——マスターを守れなくなることの方が、もっと怖かったです」

 そう言って、アミは——俺の手を握り返した。

「だから、私は勝ちました」

「……そうか」

 俺は、何も言えなくなった。

 ただ——アミの手を、強く握り返した。

 この日、俺は誓った。

 絶対に——アミを守ると。

 たとえ世界が敵に回っても、俺はアミと共にいると。


※※※ 二年後 ※※※

 

 そして、あの祭りから二年という月日が流れた。

 俺もある程度、軍の良い立ち位置に就けて、今では軍を指揮して、ユニゾンを扱う隊長になっていた。

 ミストとは会っていない。

 会ったところで、金の無心をされるに違いない。

 工場の時よりも稼げるようになった俺は、ユバ王国の中心地に移り住んでいた。

 そこで俺は、ゆったりと住んでいた。

 恋人や家族はいないけれど、俺には相棒がいる。

「ただいま戻りました、マスター」

 そう言って俺の家の扉を開けるのは、武装が外されたアミだった。

「おかえり、アミ」

 彼女の武装解除も外出の許可も、全部俺の功績が良かったから実現できている。

 あの祭り以降、俺はアミと共に数々の国々に勝利した。

 数々の勝利もあってか、俺たちの国——ユバ王国は、最弱の国から強豪の国になっていた。

 そして今日は、俺が初めて出向いた戦場で勝った日の記念日だ。

「なぁ、アミ」

「どうされましたか? マスター」

「今日は何を食べに行きたい?」

「マスターの行きたいところでしたら、私はついていきますよ!」

 太陽が優しく、微笑むアミを照らす。

 そんな彼女を見て、思わず俺も笑った。

 この王国が滅びようが、俺とアミの絆はこれからも続いていくだろう。

 だから俺は、絶対にこの絆を絶やさない。


あとがき

久しぶりに短編です!

面白いと思っていただけたら幸いです!

それでは!´ω`)ノマタネ~

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

世紀末大戦ーユニゾンと俺の絆ー 沢田美 @ansaa

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ