49日の夏休み

@ayamonta_55

第1話

、、、


ピピピ、、ピピピ


(ん、ねみーよ、うっせ〜)


ピピピ、、ピピッ、、


(あれ、勝手に止まった?、、ま、いっか)


「ふぁああぁ、学校だりー」

なんて言いながらカーテンを開ける


すると突然、ドドドッと階段を勢いよく駆け上がる音が聞こえてきた。


(な、なになになに?母さん?)


バンッとこれまた勢いよく扉を開けたのは、正真正銘、俺の母さん、なんだが、、、

しかし様子がどうにもおかしい。

どこかやつれ気味の母さんは、まるで俺が見えてないかのように部屋中キョロキョロ見回している。


「かなた、、?」

「なんだよ母さん。いきなり俺n」

「なんて、ね、、」そして淋しそうな薄ら笑いを浮かべて弱々しく扉を閉めてしまった。

「は?」

いきなりの出来事に呆気にとられたが、困惑しながらもとりあえず学校へ行く準備を始める。

(なんなんだよ?急に部屋に来たかと思ったらイミフなこといって出てったし。)


学ランに着替え終え、朝食ついでにこのことを母さんに聞いてみようと思った。

「母さーん?さっきの何だったんだよ?、、、

えっ?」


そこには俺が一度も見たことないぐらい号泣している母さんと妹、それとこの時間は仕事に行っているはずの父さんが二人を慰めていた。


「そうよねッ、、分かってたわよぉ、、うぅ」

と泣き声で言いながら母さんはギャン泣きしている妹の遥香の頭を撫でていた。

「何がだよ?みんなどうしちゃったんだよ!?」

聞こえていないのか、全員俺の声を無視する。


「おい!なんでそんな泣いて、、うぇっ?」

ギョッとした。いつも無愛想で感情なんてほぼ見せないような父さんが涙を流していた。

「ど、とうしちゃったんだってば、、なにがあったんだよ?」

俺がそう聞いている間にも家族は泣き続けている。

しばらく落ち着くまで待とうと思ったが、3分経っても5分経っても、なにも話そうとしなかった。泣き続けるばかりで俺は痺れを切らし、

「おい!!なんなんだよ!?せめて返事ぐらいしてくれよ!!」

「おーい!!」

しかし、家族は一向に喋ってはくれない。

それどころかまるで俺の声が聞こえてないかのようだった。

「おーい、もしもーし。、、、おい遥香。返事しないとお前のプリンとアイス食うぞ?」

「グスッ、、うぅ〜ー、、」

「母さん?返事しないと韓国アイドルの雑誌破るぞ、?」

「遥香、、大丈夫よ、、、グスッ」

「あー父さん?、、、返事してくれないと、えーっと、、び、ビール振るぞ、?」

「、、、。」

(絶対おかしい。こんなこと言えば全員から何かしらのアクションはあるはずなのに、、)


俺は重すぎる雰囲気の中、それ以上何も言うことができず暫く立ち尽くした。

(ほんとに、なにがあったんだよ、、)

しかし、いくら待っても何も話してくれない家族に痺れを切らした俺は朝食を食べようとパンに手を伸ばした、


その時だった


『あーあーニンゲンがみている前でそんなダイダンなことしちゃダメだってば!』

「は?」


頭上から妙に高くて気持ちの悪いイントネーションで喋る声が聞こえてきた。

しかし、その声も聞こえてないかのように家族はずっとすすり泣いている。

ただ、今はそんなこと気にしている場合ではない。


「誰だよ!?」

『え〜ボクだよ!一度自己紹介したじゃナイカ!』

「だから誰だよ!?て、てかどっから話しかけてんだよ、、?」

『まーたこれカ、、まあイイヨ!こんな状況にも慣れっ子だからサ!』

家の中にスピーカーでもあるのか?と辺りを見回してみるがそれらしいものは一つもない。

「早く説明してくれよ、、、なんなんだよ、、」

『分かった分かったヨ!まあ完結に説明すると、、







キミはもう死んでいる






ってとこカナ!』




「、、、はあ?」

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