CUT「WORDS」(1 to 6)

ナカメグミ

CUT「WORDS」(1to6)

 日常生活の断片にユーモアを(視聴条件・人間が動物であることを受け入れ、すべてをジョークとして笑いとばせる方)


①「えー、知らないんだ!」(比較的若い成獣のオスが多いが、年齢は例外あり)

目の前のメスが、既に狩りの態勢に入って故意に無知のふりをしていることに気がつかず、優越感にひたっているさま。若干、うれしそうに言う。

ちなみに目の前のメスの、目的と年齢のバリエーションは多岐に渡る。将来を見据えたガチの狩り、仕事上の必要性、円滑な職場のコミュニケーションなど。若いとは限らず。帰宅後、煙草の煙を鼻から出している可能性あり。


②「ホントはこんなこと言いたくないんだけど」(老齢のメス)

これから壮大な、長い話が始まることを示唆する接続フレーズ。聞く方はそれなりの覚悟が必要。ほとんどの内容は「私は長年にわたって、こんなにいろいろとあの人(配偶者以外。きょうだいや親戚、知人が多い)にしてあげたのに、報われない。伝わらない。納得できる対価がかえってこない」に集約される。

 一区切りついたら、あちこちにガタが来たという体の不調に話題はうつるが、その声の大きさ、長時間に及ぶ会話力、集中力から察するに、聴力以外は当分、大丈夫と思われる。


③「みてー。ママがいる」(2頭の幼獣)

動物園でペリカンのケージを見つけて、深く思慮することなく、思いついたままを口にしながら走り寄るさま。その後の母親の怒りまで考える能力が、まだない。

私は口元が受け口(反対咬合)です。


④「ただくさいだけ」(2頭の幼獣)

公共放送のドキュメンタリー番組で、ダイオウイカ(深海に生息する巨大なイカ)が放送されて一大ブームとなったため、動物園に息絶えたそれの展示を見に行った際のセリフ。「大きいねー」と感動するリアクションを想像していた母親の怒りを大いに買う事態に発展する。母親もくさいと思った。


⑤「◯◯ようかな」(52歳・メスの成獣)

「◯◯」の部分にいろいろな言葉をいれるだけで、実際には全く動かないさま。

具体例)

●白髪が増えた→「美容室でカラーリングしようかな」    

●髪の分け目が確実に薄くなってきた→「ウィッグか、増毛しようかな」

●ほうれい線が目立ち、利き目のまぶたが眼瞼下垂(がんけんかすい・上まぶた          が十分に上がらない病態)気味になってきた→「美容整形、受けようかな」

●強くなりたいと思った→「タトゥー、入れようかな」

特徴) 

自分が実際に動く勇気がないため、金髪やピンクなどの華やかなカラーリングの髪の方、腕や脚からタトゥーがのぞく方をガン見してしまう傾向あり。        


⑥「行けー」「差せー」「逃げろー」(老若男女を問わず、20歳以外の成獣)

開催競馬場、もしくは場外勝馬投票券発売所にて、目の前やスクリーンに映るサラブレッドを前に、競馬への愛情、または、それを上回る金銭欲をいさぎよく表現するさま。ゴール前の直線は、ほとんど叫び声、もしくは悲鳴となる。その後、「きた!」「とった!」「あーー(落胆)」「迷ったのに」「買えばよかった」「(舌打ち)」など、さらにさまざまな感情を表現して、ほうぼうに散る。

本日(10月26日)は菊花賞です。


追記)クマのみなさん。森でなんとかエサを見つけられることを祈っています。

(了)


   

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CUT「WORDS」(1 to 6) ナカメグミ @megu1113

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